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[J-VILLAGE CUP U-18]アジア、世界で奮闘した右SB。川崎F U-18DF柴田翔太郎は成長し、結果を残し続けて「もう1回あの舞台に立ちたい」

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川崎フロンターレU-18の連覇に貢献。DF柴田翔太郎(2年=川崎フロンターレU-15出身)は再び世界を目指す

「第6回J-VILLAGE CUP U-18」(主催:Jヴィレッジカップ実行委員会 協賛:ZAMST(日本シグマックス株式会社)他)が3月15日から18日まで福島県のJヴィレッジで開催された。大会には、U-18年代の強豪19チームと、U-17日本高校選抜が参加。川崎F U-18(神奈川)が決勝で前橋育英高(群馬)をPK戦の末に破り、2連覇を達成している。

 ゲキサカでは、同大会の協力を受け、24年シーズンの注目4選手をショートインタビュー。川崎フロンターレU-18(神奈川)DF柴田翔太郎(2年=川崎フロンターレU-15出身)は、U-17日本代表の一員として昨年のU17アジアカップやU-17ワールドカップで奮闘した右SBだ。対人守備の強さと運動量で世界の強力アタッカーたちに対抗。そして、鋭い攻め上がりや高精度のキックを活かし、チャンスやゴールを生み出した。世代屈指のSBは今回のJ-VILLAGE CUP U-18で対戦相手との差を生み出し、予選、決勝でもゴールを演出。チームリーダーの一人としても2連覇に貢献した柴田が、J-VILLAGE CUP U-18の感想や、24年シーズンの意気込みなどを語った(取材日:3月17日)。

―まずJヴィレッジカップで3日間プレーした感想を教えて下さい。
「チームとして立ち上げから3か月経った中で、プレミア(リーグ)開幕前の最後の真剣勝負だと思うんで、内容もそうですけど、1人1人が成長するっていうことを掲げてここに来ました。その中でも自分たちの中で優勝したいっていう凄く強い思いが、 1人1人にあったので、3試合振り返ってみても簡単なゲームは1つもなかったですけど、最後粘り強く勝ち切るところを出せていて、今日(対U-17日本高校選抜、3-1で勝利)も先制点を取られましたけど逆転で勝つことができました。少し手ごたえもありながら、ただ、最後勝って帰らないと意味がないと思うんで、それに向けて、明日に向けてってところで、またチームとしても高まっているところがあると思います(※18日の決勝は2-2からのPK戦の末に勝利)」

―その中で自分のパフォーマンスをどう評価している?
「去年1年、本当に色々な経験をさせてもらって、自分としても、それを今年に活かさなきゃ意味がないと思っています。今年1年もプレミアで出続けたいと思っていて、開幕までの時間が大切になる中でここに来たので、結果が多くついて来ている訳ではないんですけど、今日アシストしたところだったり、自分の武器で勝負しているところで結果が今日ついて来たんで、それを1つポジティブに思いたいですけど、もっともっと圧倒的なものを見せたいなと思っています」

―今日はさすがのアシストだったが。
「そうですね。あのクロスの形、キックのところは自信を持ってやれるので、(加治佐)海がよく決めてくれたので、感謝しています」

―この大会で強豪チームや、これから自分のライバルになっていく選手たちと戦えていることはどうかな?
「なかなか練習試合でもここまでの相手とすることはシーズン中ってそんなに多くないと思うんで、それをシーズン前にできるってことは本当に自分たちにとっても成長できる場だと思いますし、でも、同世代なので負けたくないっていう思いが個人としてあるので、成長しながらでも結果にこだわっていきたいなと思います」

―もうJヴィレッジには何度か来ていると思いますが、福島、この施設をどのように感じていますか?
「そうですね。震災を受けてっていう話もU-15の代表の時にしてもらって、それがあってまた再開したっていう話も聞きましたし、ほんとにこの震災があった場所にこのような素晴らしい環境があるっていうのは素晴らしいことだと思いますし、やっぱり震災を多く経験した人がこの東北にいると思うんですけど、その人たちに勇気を与えられる場所なんじゃないかなと思います」

―実際、再び福島に来てみて。
「食事はいつもと変わらないところがあってほんとに美味しい食事が食べれてるので感謝したいですし、空気は東京よりはちょっと澄んでいて気持ちいいなって思います」

―映像などで震災から復興を目指している人たちの情報を得ていると思いますが、勇気づけられてる部分も。
「今、こうやって多少長い時間が震災から経ってると思うんですけど、1つはまずその経験をした人たちがそれを忘れないってことが大事だと思いますし、それを経験していない人たちにも伝えていくっていう、この『忘れない』っていう習慣が大事になっていくと思いますし、自分たちはこのサッカーっていうものがあるので、自分たちのサッカーでこの震災を受けた人たちに勇気だったり、感動だったりを与えれるようなプレーをしたいなって思うので、まず明日残ってますし、そこで1人でも多くの人にそういうものを届けれたらなと思います」

―2024年シーズンの目標を教えて下さい。
「さっきも言ったんですけど、今年は1年、試合に出続けたいと思っていますし、チームとしてはプレミア優勝、クラブユース優勝、ファイナル優勝っていうところを掲げてるので、一昨年にプレミア(リーグEAST)優勝できましたけれど、ファイナル取れなかったですし、クラブユースはベスト16でずっと負けてるので、チームとしてそこは1つ取りたいですし、個人としては、去年、ほんとに大きな経験をさせてもらったので、それを活かす上でも今年勝負したいですし、1年半後、U-20のワールドカップが1個上の代であるので、U-17のワールドカップを経験して、もう1回あの舞台に立ちたいと思ったので、今年はU-19の代表、1個上ですけど、呼ばれるようにっていうところに目標を立ててやっていきたいなと思います」

―プレーヤーとして、今、自分の見て欲しいところ、チームの見て欲しいところを、それぞれ教えてください。
「自分のところは、もう90分間上下動し続ける、ハードワークできるところの運動量の面と、あとは深い位置へ入ったところでのキックの質、クロスの質、 左右両足のキックの質ってところと、あとセットプレーのキックってところは見て欲しいですし、その攻撃的な部分を個人的には見て欲しいなと思います。チームのところは、多少技術があるチームって多分フロンターレは思ってもらえてると思うんですけど、そこは圧倒的なこだわりを持ちつつ、今年は五分五分の試合であったり、先に先制されるような試合でもひっくり返す力が自分たちにはあると思ってるので、そういう粘り強さだったり、あとは1対1の球際で個人個人が戦うところを見て欲しいなと思います」

―最後に、個人としての将来の目標を教えてください。
「まずはフロンターレのトップチームに上がること。1日でも早く等々力のピッチで自分がプレーしている姿を見せたいなと思いますし、将来的にはワールドカップに出て、A代表のワールドカップで自分のクロスからアシストできるような大きなサイドバックになりたいなと思います」

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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