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川崎F FW大久保「最初は裏を狙うのが大事」

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[4.27 J1第8節 F東京2-0川崎F 味スタ]

 多摩川クラシコでFC東京に敗れ、川崎フロンターレの公式戦連勝は2でストップした。試合後、FW大久保嘉人は先制点を許したことを悔やんだ。「試合の入り方は悪くなかったけれど、失点した場面はゴール前で人に行けていなかった。あそこは、人に行かないといけなかった。あれがなければ試合の入りは悪くなかったし、残り時間はあったけれど、もったいない」と悔しがった。

「試合の入り方は悪くなかった」という言葉は、風間八宏監督からも聞かれた。ただし、もう一工夫が必要だったと大久保は言う。「うちとやるとき、相手も分析して必ず前からプレスをかけてくる。だから、裏を狙って間延びさせる必要があった。パスをつないで崩すことができれば一番きれいだし、相手もイヤだと思うけど、そう簡単にはいかない。裏を狙って相手を間延びさせてからの方が、細かくパスもつなげる。だから、試合前にも『とりあえず最初は裏を狙おう』と話していたんだけど、それができなかった。最初からつなぐ方が怖いと思うんですけどね」と、首を傾げた。

 終盤にMF森谷賢太郎が投入されてから、大久保はFWからトップ下に下がってプレーした。「あそこにはプレスがなかったし、預けてくれれば、仕掛けられた」と、布陣変更により好感触を得ていたことを明かす。ただし、この配置変更もゴールにはつながっていない。

「追い越す動きがなくて、システムどおりの戦いになった。向こうのDFも良くて、乱せなかった。負けていたし、もっとリスクを負って攻めても良かったと思う。うちは点を取れるチームだし、もっと行ってもよかった」

 この敗戦により、今季の通算成績は1勝3分4敗となっている。DFジェシは「この試合にも良い部分があると思うので、そこを次の試合に結び付けていきたい」と語ったが、大久保も、その考えに同調する。

「やっぱり最初は裏を狙うのが大事ですよ。DFラインっていうのは、みんな(足下の技術が)弱いですから、そういうところをうまく使わないと。つないで、つないで、横パス、ダイレクトで裏とか。このチームはパスをつなぐから、そういう(裏への縦パスを出せる)場面がめちゃくちゃあるんですよ、そういうところで、またつないで相手の思うツボにはまって、カウンターでやられてしまう。だから横パスに相手が食いついてきたときは、裏を使う。すごい簡単です。それができれば、チームの形になりますし、自信にもなっていきます。それができるのは、うちの武器ですから。楽しく、考えながらやれれば問題ありません」

 勝ち点6で14位と大きく出遅れた川崎F。だが、その中でリーグ戦4得点を挙げて攻撃陣を引っ張る大久保は、チームに大きな可能性を感じ取っている。

(取材・文 河合拓)

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