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代表帰りの齋藤学が首位奪取弾 「自分の形で点が取れた」

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[10.19 J1第29節 横浜FM1-0広島 日産ス]

 代表での鬱憤をぶつけた。横浜F・マリノスはMF齋藤学の決勝点で広島に1-0で勝利。1位・2位の直接対決を制し、2位に浮上した浦和に勝ち点2差を付け、首位に返り咲いた。

「自分の形で点が取れたのは大きかったかなと思う。受けてからの流れがよかった」。後半10分、PA左外でDF奈良輪雄太からパスを受けた齋藤がドリブルで中に切れ込んだ。MF高萩洋次郎をかわし、スライディングでカバーに入ったDF塩谷司も振り切る。シュートコースが空いたのを確認し、右足を一閃。豪快にニアを打ち抜き、ゴール左上隅に突き刺した。

「勝負になって、行き切れたのがよかった。最近、あまりなかったので自信になる。点を取ったのも久しぶりだったので、気持ちよかった」。7月17日の浦和戦(3-2)以来、12試合ぶりとなる今季4点目。その間、天皇杯や日本代表の東アジア杯ではゴールを決めていたが、J1では実に3か月ぶりの得点となった。

 日本代表の欧州遠征から試合2日前の17日朝に帰国した。12日にナビスコ杯準決勝第2戦・柏戦、16日に天皇杯3回戦・栃木戦を戦い、中3日、中2日の連戦だったチームに対し、齋藤は11日のセルビア戦、15日のベラルーシ戦ともに出番がなかった。

 とはいえ、長距離移動による疲れや時差ボケもあったはず。それでも「ヨーロッパと言ってもビジネス(クラス)とかなので。ちゃんと寝れるし、特に苦はなかった」と笑う。「チームは連戦。僕のほうがみんなよりコンディションがよかったと思う」。代表帰りを言い訳にすることなく、疲労を感じさせない奮闘でフル出場した。

「(代表で)1分も出られず、悔しさもあるけど、マリノスはマリノス。ここでのプレーが代表にもつながる」。出番を与えられなかった鬱憤をぶつけ、自分の存在価値をあらためて見せつけた。チームも残り5試合で首位を奪回。「大事な試合だったけど、残り5試合がもっと大事になる。優勝しないといけないし、チーム一丸となっていきたい」。04年以来、9年ぶりのリーグ制覇へ、横浜FMがまた一歩前進した。

(取材・文 西山紘平)

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