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控え組をかばう佐々木監督、「選手は動揺した」

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[7.31 ロンドン五輪F組 日本0-0南アフリカ カーディフ]

 2位でグループリーグを突破するという“ミッション”とともに、控え組に実戦を積ませる狙いもあった。28日のスウェーデン戦(0-0)から先発7人を変更。これで登録選手18人全員が先発出場したことになった。日本女子代表(なでしこジャパン)の佐々木則夫監督は「あの空気、あのピッチに全員が立って、オリンピックの感触を味わった」と、収穫の一つを挙げる。

 試合前日の記者会見ではメンバーの入れ替えについて「小ガラぐらい」と大幅な変更は否定していたが、「一晩考えて、(試合中に)何かあったら(控え組を途中から)使えない可能性がある。それなら全員を(先発で)出して、スタメン組は控えでコントロールしようと思った」と説明。思い切ったターンオーバーに踏み切った。

「練習でいい割にはピッチに入ったら精度が低いな。こうすればこうできるんだな。そういう一人ひとりの見極めができたのは成果」。そう語った指揮官だが、普通の試合とは違う状況だったことも認める。

「(引き分け狙いは)『後半の状況次第』とは言ったが、僕がその言葉を発した中で、『前半は普通にやる』と言っても、なかなかフレキシブルにできなかった。その言葉を発した時点で、仕掛けの意識、シュートの意識は落ちていた」

 前半は0-0。全体的に運動量が上がらず、攻撃に連動性もなかった。両SBやボランチの攻撃参加もほとんどなく、チャンスらしいチャンスもなく45分間を終えたが、その試合内容をそのまま控え組の評価とすることはできないだろう。

「その言葉を発した時点で選手は動揺した。内容の部分はストレートに伝えられない。僕が(後半の経過次第で引き分けも狙うと)言った時点で、思い切りプレーできなかったのではないかというのが僕の見解」。佐々木監督はそう言って選手をかばった。

 0-0で試合を終わらせるという特殊な指示を出したことによる影響は今後に残らないのか。準々決勝では絶対に負けられないというプレッシャーも選手にのしかかることになる。しかし、指揮官は「それは勝手に心配してくれて結構」と力説。「それは僕が次への準備の中でしっかりやること。選手もこの結果には満足していると思う。満足しているか聞いてはないけど、ロッカールームの雰囲気を見て、そう感じた」と、選手、チームへの影響を否定した。

(取材・文 西山紘平)

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