beacon

矢島が劇的ロスタイム弾!!川崎Fが打ち合い制し首位・仙台に競り勝つ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.26 J1第13節 川崎F3-2仙台 等々力]

 J1第13節は26日、各地で7試合を行い、川崎フロンターレはホームで首位ベガルタ仙台に3-2で競り勝ち、2連勝を飾った。前半20分、FW小林悠が先制点を決めると、仙台も同24分にMF富田晋伍、後半9分にFWウイルソンのゴールで一時は逆転したが、川崎Fは同16分、MF登里享平が同点ゴール。さらに試合終了間際の後半ロスタイムにFW矢島卓郎が劇的な決勝点を決め、逆転勝ちした。

 川崎Fは前節の大宮戦(2-0)で負傷交代したMF稲本潤一のほか、MF田坂祐介、DF森下俊も負傷欠場。システムはダブルボランチの4-2-3-1に変更し、左SBではDF福森晃斗が今季初出場でプロ初先発を果たした。中盤の左サイドでは登里が2試合ぶり、右サイドでは小林が4試合ぶりに先発した。
 DF上本大海、MF関口訓充が負傷離脱した仙台はCBにDF角田誠が下がり、角田のいたボランチでMF松下年宏が4試合ぶりに先発した。
[スタメン&布陣はコチラ]

 前節の大宮戦で公式戦連敗を止め、風間八宏監督就任後初の完封勝利を飾った川崎Fと、前節の名古屋戦に4-0と大勝し、4試合ぶりの勝ち点3を挙げた仙台。互いに連勝で弾みを付けたいチーム同士の一戦は序盤から激しく攻め合った。

 前半8分、川崎FはDF田中裕介の右クロスのこぼれ球をエリア外から登里が左足で狙うと、ゴール前の小林が左足で角度を変えたが、GK林卓人に弾かれる。仙台も直後にゴール前でFKのチャンスを獲得。MF梁勇基が鋭いキックで直接狙ったが、GK西部洋平がかき出した。すると川崎Fも前半12分、負けじとMF中村憲剛が直接FKを狙うが、これもGKの手をかすめてクロスバーを直撃した。

 試合が動いたのは前半20分。川崎Fは高い位置でプレッシャーをかけ、MF楠神順平がボールを奪う。オーバーラップしてきていたDF實藤友紀に戻すと、實藤が右サイドからゴール前にクロス。これを小林が右足で流し込み、均衡を破った。

 ところが、仙台もすぐさま同点に追いつく。前半24分、右サイドをえぐったMF太田吉彰のクロスがファーサイドまで流れると、小林がクリアミス。セカンドボールをPA手前中央から富田が右足ダイレクトで振り抜き、アウト回転のかかった弾丸ミドルがゴール右隅に突き刺さった。富田の4試合ぶり今季2点目で試合を振り出しに戻すと、その後は互いにチャンスをつくるも、2点目は奪えず、1-1のまま前半を折り返した。

 仙台は後半開始からDF田村直也に代えてDF内山俊彦を投入。すると徐々に仙台がペースを握り、川崎Fを押し込んでいく。後半2分、高い位置で梁が中村からボールを奪い、ウイルソンにラストパス。ウイルソンのシュートはDFが体を投げ出してブロックしたが、同4分にもFW赤嶺真吾が決定的なシュートを放つ。これはGK西部のビッグセーブに阻まれるも、同9分、ついにゴールをこじ開けた。

 右サイド深い位置でボールを受けた松下がマイナスにクロス。右45度の位置からウイルソンがループ気味に狙った右足シュートがふわりとGKの頭上を越え、ゴールマウスに吸い込まれる。ウイルソンの2戦連発となる今季5点目が決まり、仙台が2-1と逆転に成功した。

 川崎Fは直後の後半11分、小林に代えてFWレナトを投入し、最初のカードを切る。仙台は同14分、故障を抱えるDF菅井直樹に代わってDF渡辺広大をピッチに入れ、角田がボランチ、松下が右SBにポジションを変えた。すると同16分、川崎Fは中村のスルーパスをPA内右で受けた楠神がゴール前に折り返し、登里が右足で流し込む同点弾。登里の昨年8月6日のC大阪戦以来となる今季初ゴールで2-2に追いついた。

 仙台は後半25分、松下に代えてリーグ戦初出場となる大卒ルーキーのMF奥埜博亮を投入する。角田が右SBに移り、中盤は富田と梁のダブルボランチで、奥埜がトップ下。赤嶺が左サイドに張り、中央にウイルソン、右に太田が位置する4-2-3-1にシステムも変更し、3点目を目指した。

 ホームで勝ち点3の欲しい川崎Fも攻勢を強める。何度かゴール前まで迫るが、仙台の粘り強いディフェンスを攻めあぐねると、仙台もカウンターから好機をつくる。互いに最後まで攻め合う激しい展開は後半ロスタイムに劇的な幕切れが待っていた。後半47分、福森の左クロスを矢島がヘディングでねじ込む決勝弾。土壇場で3-2と勝ち越し、首位チームから勝ち点3をもぎ取った。

(取材・文 西山紘平)

TOP