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柳下新監督初陣勝利!新潟が17位からの「反撃」開始

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[6.16 J1第14節 新潟1-0清水 東北電ス]

 新潟が反撃開始! 16日、J1第14節が行われ、東北電力ビッグスワンスタジアム(新潟)で開催された17位・アルビレックス新潟対4位の清水エスパルス戦は、MF藤田征也の決勝ゴールによって新潟が1-0で勝ち、11日に就任が発表されたばかりの柳下正明新監督の初陣を白星で飾った。

 2勝3分8敗という不振。特にホームで3連敗中、2分4敗と勝利のない新潟は、柳下新監督の下でどのようなサッカーを展開するのか注目が集まった。4-4-2システムで試合に臨んだ新潟のGKは東口順昭で、4バックは右から村上佑介鈴木大輔石川直樹金珍洙三門雄大本間勲のダブルボランチで右サイドに藤田征也、左に田中亜土夢。2トップはブルーノ・ロペスとミシェウのブラジル人2トップが組んだ。

 一方の清水は4-3-3システムでGKはロンドン五輪日本代表オーバーエイジ候補の林彰洋、4バックは右から吉田豊平岡康裕カルフィン・ヨン・ア・ピン、李記帝。中盤はアンカーの村松大輔を右前方に杉山浩太、左前方に河井陽介が配置され、3トップは大前元紀、アレックス、高木俊幸が並んだ。

 試合は前半5分、右サイドで獲得したFKから清水・李の左足シュートがゴールを捉える。ボールを支配して攻める清水はさらに16分、河井の右CKをファーサイドの村松が頭で合わせた。また杉山の強烈な右足ミドルを放つなど、相手を押し込んでいく。だが先制したのは新潟だった。前半39分、敵陣中央でボールを受けたミシェウが前を向くと、相手CBと右SBとの間にスルーパスを通す。田中が左サイドから出したラストパスをファーサイドから走りこんだ藤田がスライディングシュートで清水ゴールへと押し込んだ。それまでシュートも、CKもゼロだった新潟が先制して前半を折り返した。

 試合を支配しながらリードを奪われた清水はハーフタイムにアフシン・ゴトビ監督が「45分支配していたが、1回の集中力の欠如でやられた。常に集中していなければいけない」とメッセージ。後半も試合の主導権を握り、試合をひっくり返そうとする。だが新指揮官の柳下監督から「守備は慌てず粘り強く対応すること。相手の仕掛けについていくこと。そこは新潟のストロングのはずだ」と鼓舞された新潟は前半同様の集中力でゴールを守り続けた。

 清水は後半17分に元日本代表MF小野伸二を投入して反撃を強めるが、若さが出てしまったか、前半に比べて集中力を欠いてしまったようなミスがあった清水。わずか1点のビハインドでリズムを崩してしまった清水は、前半のような良い流れの攻撃をすることができない。逆にミシェウらがアンカーの両脇をしたたかに突いてくる新潟を最後まで飲み込むことができなかった。

 シュートこそ3本に終わったものの、新潟は1点リードの後半24分に推進力のある新人FW鈴木武蔵、後半ロスタイムにはFW平井将生を投入して守りに入ることなく、攻める姿勢を見せ続けて勝ち点3をもぎ取った。柳下監督は「いい結果が出たのは元々彼らが持っているいいものから良い結果が出たと思います。たくさん課題はありますけれど、我々にとって勝ち点3を取ることが今、一番の目的。これを続けていきたいと思います」。また、決勝点の藤田は「ここまでずっと厳しい状況だった。監督が代わって初めての試合で、ホームで勝ち点3取りたいという気持ちでやっていた。勝って良かった」と喜んでいた。

 初陣で勝ち点3を獲得したが、大事なのはもちろんこれから。新指揮官は「彼らは守備をしっかりできる。ボールをしっかりと相手のゴールまでつなげるという、この課題を毎日トレーニングしてできるだけ早く修正したい。そうすれば自ずといい結果は続くんじゃないかと思っている」。スタンドには“反撃開始”という横断幕も掲げられていたが、新潟はこの日勝ち取った勝利を自信に17位から「反撃」していく。

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