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パスミス&ハンドで痛恨2失点…横浜FM實藤友紀「自分のミスで試合を台無しにしてしまった」

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DF實藤友紀

[8.18 ACL決勝T1回戦 神戸3-2横浜FM 埼玉]

 クラブ史上初のアジア8強をかけて挑んだ一戦、横浜F・マリノスは生命線だったはずのビルドアップのミスから先制点を許した。試合後、2失点に絡んだDF實藤友紀は「チームに迷惑をかけたなという思いもすごくあるし、自分のミスで試合を台無しにしてしまった」と敗戦の責任を背負った。

 スコアレスで迎えた前半7分、横浜FMはいつものように最終ラインからのビルドアップで攻撃の糸口を模索していたが、右サイドを狙った實藤のパスがMF汰木康也にカットされ、カウンター攻撃を許した。汰木の鋭いスルーパスが対角で走ったMF飯野七聖に届くと、マッチアップしたDF永戸勝也が戻り切れず。試合の行方を左右する先取点を決められた。

「そこを狙わずに展開すれば問題なかった。取られてからのカウンターで簡単に行かれてしまった。そこまで含めて自分のミスからの失点」。そう悔やんだ實藤は1-1で迎えた前半31分にもシュートブロック時のハンドでPKを献上。これが神戸の勝ち越しゴールにつながり、「もっともっと慎重にやらないといけなかった」と悔やむしかなかった。

 實藤は後半22分、MF岩田智輝が最終ラインに入る形で途中交代。チームはこのビハインドを取り戻すことができず、2-3で敗れた。

 試合後、實藤は「自陣のミスからのカウンターだったり、PKのところもそうだし、3失点目もサイドから崩されてのクロスだったり、要所要所で自分たちのミスからの失点が起きてしまった。今回の試合に関しては自分のところなので、修正というよりも、自分のミスを出さないというのが全てだった」と悔しさを押し殺すように話した。

 これでクラブ史上初のアジア8強入りのチャンスは来年以降に持ち越し。實藤は「マリノスにとってベスト8は史上初だし、そこに向けて自分たちの歴史を塗り替えることを目指していたけど、こういう形で難しいゲームになってしまって申し訳ない」と述べた上で「リーグ戦が残っているし、リーグ戦しかない。ここで優勝して、来年のACL圏を取って、リベンジしたい」と決意を語った。

 もっともチームはこれで公式戦4連敗。現在はJ1首位を走っているものの、優勝争いに向けても暗雲が漂い始めている。「結果だけ見るとルヴァンも、天皇杯も、ACLもそうだし、負けてしまうことが多いので、自分も含めて何かが足りない部分だと思う。ここままの流れだとリーグ戦も相当難しい戦いになる」。そう気を引き締めた實藤は「ここでしっかりと切り替えて、何をすればいいのかをもう一回、自分たちで話し合って、優勝するためにここからやっていきたい」となんとか前を向いた。

 また實藤自身にとっても、ここからの切り替えが大事になる。「反省して前を向いて切り替えるしかない。アグレッシブなサッカーをやっているので、そこが折れることもない。自分も攻撃的なスタイルでやっているので切り替えてやっていきたい」。ミスを乗り越えながら積み上げてきた横浜FMの“アタッキングフットボール”。個人として、チームとして、この難局を乗り越えていけるかが試される。

(取材・文 竹内達也)
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