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“古巣”パトゥムとの対戦決定に浦和リカルド監督「運命だと思う」…準決勝も念頭にメンバー編成か

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リカルド・ロドリゲス監督

 浦和レッズのAFCチャンピオンズリーグ準々決勝の相手は、現指揮官が2014〜15年に率いていたパトゥム・ユナイテッドに決まった。組み合わせ抽選会後、報道陣の囲み取材に応じたリカルド・ロドリゲス監督は「バンコク・グラス(前身の名称)で仕事をしていたので運命だと思う」と感慨を語った。

 2020-21シーズンにタイ1部リーグを初優勝し、同年に初めてACL出場権を獲得したパトゥム・U。2度目の出場となった今大会ではタイ勢で史上初のベスト8入りを果たし、これまでブリーラムやムアントンが権勢を保ってきた同国のトップランナーに名を連ねた。

 リカルド監督もその成長ぶりには目を見張っていた。「私が指導していた頃とはメンバーも代わっていて、タイ代表の選手は一人しかいなかったが増えている。またトゥネス(アンドレス・ホセ・トゥネス・アルセ)、ジオゴ(ジオゴ・ルイス・サント)といった2015年にタイリーグを席巻したブリーラムの選手を獲得している」。7年越しの邂逅に「タイリーグでも力を示すポテンシャルを見せているし、ACLでも新たな歴史を築いている彼らとの試合は必ず難しい試合になる」と気を引き締めた。

 さらにリカルド監督にとっては、敵将の手倉森誠監督とも「縁があると思っている」。2017〜20年には徳島ヴォルティスの指揮官を務めており、19〜20年にV・ファーレン長崎を率いていた手倉森監督とも対戦。「徳島でも昇格争いを共に演じて、激しい対戦を何度もしている」。またこの日の抽選会後には「先ほど手倉森監督と話していたら、『昨日は大勝だったからメンバーを代えないよね?』と聞いてきた」というやり取りがあったことも明かした。

 この駆け引きを受け、リカルド監督は冷静にメンバー編成を見据えていた。「われわれとしては昨日のレベルを維持することを第一に考えないといけないことだが、選手の状態を見てどうするかを決めていきたい。目標は決勝に行くこと。そこまで頭に入れて試合に臨みたい」と25日の準決勝も念頭に置き、コンディション次第ではメンバーを入れ替える可能性も示唆した。

 その上で「これから相手チームも映像を見て分析するが、重要なのは自分たちがこのレベルを保つこと。またスタートの11人だけでなく、もしかしたらベンチの選手の存在のほうが大事かもしれない大会だと思う。ベンチから入ってもレベルを落とさない、ベンチから入ってもさらにレベルを上げていくことが大事だと思っているので、そのような準備をしていきたい」と意気込みを示した。

 浦和は19日にジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)とのラウンド16(○5-0)を終え、中2日で迎える準々決勝。ただ、この条件はパトゥム・Uも同じだ。「まずバンコクグラスと対戦することになって、この短期決戦では1日の休みの違いが大きく関わってくるため、中2日のチームが対戦するのは両チームにとってよかった」。そう前向きに語った指揮官は「楽な試合は一つもないのでしっかり集中して準備していきたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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