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大会MVPでアジア制覇牽引…酒井宏樹が見つめる新生浦和の“伸びしろ”「内容を見たら差はあった」

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DF酒井宏樹

[5.6 ACL決勝第2戦 浦和 1-0 アルヒラル 埼玉]

 5大会ぶり3回目のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇を果たした浦和レッズだが、試合後の会見ではチームの伸びしろにフォーカスする言葉が次々に飛び出した。マチェイ・スコルジャ監督が今季から就任し、新たなチームの構築は始まったばかり。早くも次のタイトルの獲得に向けた挑戦が始まろうとしている。

 試合後、スコルジャ監督はアルヒラル対策について「相手チームを分析する担当者が複数人いて、全員で戦術的なところもディテールのところまでしっかりと見ている。最近の試合もしっかりと見ていた。アルヒラルにはスペースを与えてはいけないとわかっていた。1対1のチャレンジでも強力なので、コンパクトにディフェンスを整えながら守らないといけないとわかっていた」と振り返りつつ、次のように言葉を続けた。

「ただ、もっと攻撃的にプレーできたのではないかと思う。もっとボールをキープできてもよかった。ただアウェーゲームで1-1という結果の後だったので、余分なリスクを冒さないのも戦略の一部だった。最終的にトロフィーを取るところが狙いだったのでそのような形になったのもある。もちろん3点、4点、5点取って勝つことができればいいが、アルヒラルという経験豊富な素晴らしいチームに勝つということはいつもできることはない。浦和レッズの選手たちに大きなリスペクトを感じている」

 今季の就任以降、Jリーグでも開幕2連敗からの5勝2分と好調を保っているが、「これまで今日の試合のことを意識しながら準備してきた」とスコルジャ監督。「いいスタートを切ったと思うが、さらにこのチームを発展させていかないといけない。より攻撃的なサッカーをプレーしたいと思っている。最初からそれを行っていた場合、今日の相手にそれができていただろうかという疑問は残る」とも述べ、さらなる変化の余地を示唆した。

 また大会MVPに輝いたDF酒井宏樹も「リーグにつなげることは今日の試合からはない。僕らがしたいサッカーではなかった」も断言。「プロとして勝つことが第一優先で、そのためにどういうサッカーをするかが大事。監督が提示するコンセプトプラス、自分たちで判断して形を変えていく。今日はそこができたので、つなげるとしたらそこだけ。相手によって変える必要がある。勝ったことが全て」と勝利だけにフォーカスしていたことを強調した。

 そのため「日本に移籍してきてACLのタイトルは目標にしてきたことで、それはずっと言ってきたこと。こうして獲得できたことが非常に幸せ」とタイトルの喜びに浸りつつも、「ただリーグは続くし、まだまだ内容を見たら差はあった」と満足するつもりはない。「謙虚さをしっかり持って、チームとしてもう一つレベルアップして、こういうレベルの相手にしっかり戦えるようになっていかないといけない」と早くも先を見据えていた。

(取材・文 竹内達也)
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