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悲願のACL奪取へ…アジアの戦いに充実感ものぞく川崎F山根視来「すごく楽しんできている」

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DF山根視来

[10.3 ACLグループI第2節 川崎F 1-0 蔚山現代 等々力]

 右サイドで90分間推進力を見せ続けた。川崎フロンターレは終盤のゴールでACLグループリーグ連勝達成。DF山根視来は平日にもかかわらず駆け付けたサポーターに「みんなやっぱりACLで勝ちたいんだなとすごく感じた。僕らも本気でそう思っている」と感謝を示した。

 持ち味を発揮した試合だった。右サイドでMF瀬川祐輔らとともに好連係を見せ、敵陣付近まで果敢に攻め立てた。最前線までつないだにもかかわらず得点できないと、悔しい感情を露わにする場面も。終盤にはそのプレーが結実する。

 後半44分、山根が敵陣近くの右サイドまで上がり、パスを受ける。「バフェ(ティンビ・ゴミス)が(PA内に)入ったのでクロスを上げろという意味だと思った。彼からの要求はいつもされているので」。左足クロスは相手選手に当たると、こぼれ球を拾ったFW遠野大弥がマイナス方向に落とす。走り込んだMF橘田健人の豪快ミドルがゴールに刺さった。「相手に当たりましたけど、そういう選択をしてよかった。スーパーゴールでした」と振り返った。

 J1リーグでは頂点に立つ可能性はなくなったものの、今週一週間にはACLと天皇杯というカップ戦がある。「タイトルが懸かった試合が来ることでモチベーションも上がってくる。そういう試合を勝ってきたチーム。そこのエネルギーは全体で出していきたい」と気持ちを切り替え、2つのタイトルを追いかける。

 コロナ禍で集中開催だった昨シーズンまでから、今シーズンはホーム&アウェー制が復活。ホーム&アウェーでの戦いは初だという山根自身も「僕自身すごく楽しんできている大会」と心境を明かす。「もちろんアウェーに行くのは大変ですけど、そっちのほうが楽しいなと思いながらやっている。全部アウェーでもいいかなと思っていますけど……。初めてですかね、ACLを楽しいと思いながらプレーしています」。いまだクラブが手にしたことがないアジアの頂点に向け、その戦いに充実感をのぞかせていた。

(取材・文 石川祐介)
●ACL2023-24特設ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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