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右SBで先発濃厚な酒井宏「内田くんのようなプレーをいきなりするわけにはいかない」

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 右太腿肉離れのため代表を辞退したDF内田篤人(シャルケ)に代わり、オマーン戦の先発が濃厚となっているDF酒井宏樹(ハノーファー)が敵地での一戦を前に警戒を強めた。

「ホームのオマーンは間違いなく強い。油断せずにしっかり勝ちにいくことが必要。相手が強くなればなるほど、一歩間違えば危ないシーンも出てくる」

 慎重居士にならざるをえないのは、オマーンの実力もさることながら、所属のハノーファーで出場機会が少ないことも原因だろう。ロンドン五輪での負傷の影響もあり、今夏の移籍後、リーグ戦出場はわずか4試合で先発は一度きり。ELも1試合しか出場していないのだ。

「試合勘があまりないというのはある。調子のいいときは試合に影響が出ないけど、良くないと影響が出る。今の調子? それは明日試合をしてみないと分からない」と、試合に出ていないときのコンディション管理については、本人にも確固たる物差しはないようだ。「今が大事というより、何年かあとが大事。内田くんのようなプレーをいきなりするわけにはいかない]とも言う。

 とはいえ強みもある。関塚ジャパンで戦った昨年6月のロンドン五輪アジア2次予選。クウェートでの試合は昼間の気温50度、キックオフ時の気温も35度を超えるほどだったが、暑さに耐えて最終予選突破を決めた。

「ここに来てみて暑さにびっくりしているけど、クウェートに比べるとだいぶ楽です。今日は体が重かったけど、明日は大丈夫だと思う」と強気な姿勢を見せる。

 右サイドでコンビを組むことになる清武弘嗣(ニュルンベルク)がロンドン五輪予選からともに戦ってきた旧知の間柄であることも大きい。

「(日本代表の)右サイドは左サイドに比べるとまだまだ。もっと左サイドのように攻撃ができるようになる必要がある」

 最後まで慎重な言葉遣いに徹していた酒井宏だが、表情は明るく、口数も以前より増えた。欧州で苦しみながらも感じている自身の成長。大器が右サイドで躍動するとき、日本は勝ち点3 を手にしているはずだ。

(取材・文 矢内由美子)

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