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勝利しか頭にない香川 「勝ち切るところにこだわる」

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 最後は笑顔で締めくくる。日本代表は21日、ベロオリゾンテのミネイロンスタジアムで公式練習を行い、22日のメキシコ戦に向けて最終調整した。2連敗でグループリーグ敗退は決まったが、消化試合にするつもりはない。勝って大会を終える。MF香川真司(マンチェスター・U)は、結果にこだわる強い決意を口にした。

「消化試合というか、(グループリーグ突破の)望みはないけど、気持ちをしっかり持って。難しい試合になるのは分かっているけど、次につなげるために大事な試合になる」

 0-3の完敗を喫したブラジル戦から見違えるような試合内容を見せ、3-4という壮絶な打ち合いを演じたイタリア戦。「イタリア戦の前もそうだけど、メンタルがよければ、いいサッカーができる。イタリア戦は、一人ひとりがいい精神状態でできた」。気を緩めることなく、メキシコ戦に集中力を高めた。

「イタリア戦のようにプレスに行くところは行って、チームとして前から行く中で、攻撃的に攻めに行きたい。イタリア戦の繰り返しにならないように、3点目を取るチャンスがあるなら狙って、攻撃的にチャレンジしたい」

 前半21分にMF本田圭佑のPKで先制したイタリア戦。前半33分には香川の鮮烈ボレーで2-0とリードを広げた。しかし、前半41分にCKから失点すると、後半5分、7分の連続失点で逆転を許した。いったんは3-3の同点に追いつくも、後半41分に4失点目。前半3分、後半3分、後半ロスタイムに失点したブラジル戦を含め、今大会の7失点はすべて時間帯が立ち上がりと終盤に偏っている。

「失点の時間帯はハッキリしているし、あの時間帯の失点は精神的に来る。イタリア戦も“たられば”だけど、2-0で前半を終わりたかった。でも、強豪とやるとき、常にリードを保てるわけではない。そういうことに影響を受けているようでは厳しいし、ひと皮むけるためにも、そういうところが大事になる」

 たとえ失点しても慌てることなく、落ち着いて自分たちのサッカーを続ける。「2-3から3-3に追いついたことは、チームの一つの成長を示したと思う」。個人としての、チームとしての精神的なタフさ。それが世界で勝つための一つのポイントになる。

「(イタリア戦では)チームとして攻守において前に行く強い姿勢を示せた。アグレッシブにやれた分、チームとしての“気”を感じた。手応えをつかめた部分もあったし、明日、それを継続的にできるか。1試合で終わるなら、今までの代表にもあった」

 そう力を込めた香川。「勝ち切るところにこだわりたい」。イタリア戦でいい内容の試合はできた。次は結果につなげること。貴重な国際舞台の最終戦。勝利という形で、自分たちの成長を証明するつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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