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「相手をエスコートしていた」カーン氏がパリSGに完敗のバイエルンを痛烈批判

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オリバー・カーン氏が守備時のプレーを問題視

 バイエルンは27日のUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)でパリSGに0-3で完敗。バイエルンOBである元ドイツ代表GKのオリバー・カーン氏は、カルロ・アンチェロッティ監督率いるチームのパフォーマンスに痛烈な批判を向けている。

 カーン氏は試合前、アリエン・ロッベンやフランク・リベリー、マッツ・フンメルスらをベンチに置いたアンチェロッティ監督の采配を見て「これが失敗に終わったら、ものすごい騒ぎが起こるだろう」とコメント。ビッグゲームでこそ、その力を発揮するベテラン選手たちを先発起用しなかった指揮官の判断に疑問を呈していた。

 そして試合はバイエルンにとって「失敗」に終わった。開始早々にネイマールのアシストからダニエウ・アウベスがパリSGにリードをもたらすと、前半31分にはエディンソン・カバーニ、後半18分にはネイマールが追加点を挙げて3-0での快勝を収めた。バイエルンはポゼッション率(62%)、シュート数(16-12)、パス数(568-369)、パス成功率(88%-83%)、CK数(18-1)などスタッツではパリSGを上回るも、肝心なゴールを記録していない。

 そんなバイエルンのパフォーマンスに対して、ドイツ『ZDF』でコメンテーターを務めるカーン氏は試合後、不満を隠し切れず。次のように話している。

「バイエルンの課題はボールを持っているときではなく、相手ボールに対応するとき。すなわち、カウンターに対する守備、競り合い方のことだ。通常バイエルンではまれにしか見られないはずのパスミスの多さも目立った」

「1点目も3点目も、このチームが今抱える問題を浮き彫りにしただろう。1点目ではパリSGは20~25本ほどパスを回し、最終的にゴールが決まった。3-0の場面ではダニエウ・アウベスがピッチ全体を通じて走り、最後にはとてもクレバーなプレーを見せている。バイエルンは相手ボールの際、どう働くべきかについて、アイデアやメカニズムを備えていない」

 番組の司会者に「それは戦術的な問題を抱えているということか?」と問われたカーン氏はこのように続けた。

「もちろん戦術的な問題だよ。プレイヤーとしては相手ボールの状況で何をするべきか把握してなければいけないからね。前線からプレスをかけていくのか、ボールを失った場合ゲーゲンプレスをするのか、それともチーム全体が後方に向かってハーフウェイラインで(ボールを)奪いに行くのか」

「現状、選手たちが少し後ろに向かう動きしか見られず、誰一人『ここで相手を攻撃する』といった合図を出したがらない印象を受ける。そうすると、パリSGのようなチームに非常に楽にさせることになる」

 またアンチェロッティ監督のコンセプトについて聞かれると、このように語った。

「プランなど見られない。1点目と3点目においてはプランの欠如が明白だ。ただ相手をエスコートしていたようなものだよ。競り合いを勝つことは時折あったかもしれないが、全体的に後方にしか向かっていない。大きなプランは見られなく、1人が相手を攻撃し、他も組織的に続くといった継続的なプレスともなかった。ただ流れに任せているような印象を受ける」

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