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“主軸CB不在”危機救った谷口・板倉を森保監督が称賛「元川崎の選手だとはいえ…」

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DF谷口彰悟(川崎F)とDF板倉滉(シャルケ)

 日本代表森保一監督がカタールW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦から一夜明けた2日、報道陣のオンライン取材に応じ、主軸不在の中で最終ラインを支えたDF谷口彰悟(川崎F)とDF板倉滉(シャルケ)を称えた。

「二人についてはいま持っている最高のパフォーマンスを出してくれた。チームの戦い方の中で個の良さを出すこと、そして二人の連係をうまく試合の流れに沿って発揮してくれた。元川崎の選手だとはいえ、何年も一緒にやっていない選手が短期間で、非常に高いレベルで連係連動したプレーを見せてくれた」

 今回の代表シリーズではDF吉田麻也(サンプドリア)、DF冨安健洋(アーセナル)が負傷のため不在。大一番のサウジアラビア戦を控えていたこともあり、“代役”の確保が大きな不安要素となっていた。しかし、ともに最終予選初出場となった谷口と板倉のコンビが磐石の安定感を発揮。無失点での2連勝に大きく貢献した。

「彼らの背後からの押し上げであったり、相手に対して止めるプレーの落ち着き、ビルドアップの時もビルドアップラインを少しでも高いところに持っていき、効果的なパスを出す、数的優位を作る、攻守ともに安定感とチャレンジをするところを非常に見せてくれた。吉田麻也、冨安といった世界基準でプレーしている選手たちとポジションを争う上で、遜色ないものを見せてくれたと思っている」

 なかでも谷口は国内組からの台頭。ロシアW杯で好パフォーマンスを見せたDF昌子源に続き、Jリーグでのプレーが通用することを見せつけた。

 森保監督は「谷口は国内ではここ数年の中で勝たなければいけないチームにいて、対戦相手がほとんど川崎の対策をしてきて、川崎の良さを止める、守備から入ってくる戦いをする中で、今回もやはり活きていたのはビルドアップ能力」と着目。「普段から川崎Fでやっているように、ボールを握りながら慌ててプレーの選択をするのではなく、どうやったら守備網を崩していけるんだというボールの動かし方や運び方をしていた。常勝チームにしかできないプレーを見せてくれた」と大きな称賛を送った。

 また指揮官は両選手の台頭が新たな選択肢を生み出すことも示唆した。「4人のポジション争いというより、板倉と谷口が見せてくれたパフォーマンスで、いろんなポジション変更もできるオプションができたかなと思う」。3月に控える最終予選2試合、そして11月に待つワールドカップ本大会に向け、3バックの再導入や冨安の右サイドバック起用など、新たなトライも見られそうだ。

 加えて森保監督は「他の選手と同じで、攻守ともにもっと判断の速さを上げて、相手よりも一歩先を行くプレーのレベルを上げてもらうことをまずやってもらいたい」とさらなる成長を要求。「まずアジアをしっかり勝ち抜くことをやりながらも、世界基準でW杯で戦うことを考えたらもっとレベルが高いフィジカルの強さ、スピード、高さ、判断力があると思う。どれか一つではなく全てをレベルアップしてもらいたい」と話した。

(取材・文 竹内達也)
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