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選手権は初戦敗退。流経大柏DF田口空我は日本高校選抜で「持ち味を存分に発揮」「悔いのないプレー」を

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DF田口空我(流通経済大柏高3年、右)は日本高校選抜の右SBとして目立つ動きも

 第100回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜は12日、FUJIFILM SUPER CUP 2022「NEXT GENERATION MATCH」で川崎フロンターレU-18(神奈川)と対戦する。試合を翌日に控えた11日には横浜市内で前日練習。フォーメーションを組んでの攻守の確認や、セットプレーなどのメニューで雰囲気良くトレーニングを終えた。

 千葉の名門、流通経済大柏高のCB田口空我(3年=ジェファ・FC出身)は選考合宿から通じて右SBとしてプレー。前日の練習試合では持ち味のスピードを活かした積極的な攻め上がりやヘディングの強さ、そしてゴール前のカバーリングなど特長を発揮していた。

「攻撃の部分では仲村(浩二)監督からも『SBはどんどん高い位置を取って良いぞ』と言われているので、そういうところでは自分の持ち味のスピードを活かして積極的に前に出たという感じです。守備のところではCBをやっていたので対人だったり、ヘディングのところに自信を持っているので、そこを積極的にやっていこうと思っていました」。

 高校1年時にSBの経験はあるが、再びチャレンジをスタートしたばかり。まだまだ納得の行くプレーが増えている訳ではない。それでも、SBとしてのポテンシャルは非常に高い選手。将来のことも考え、積極的にチームメートに確認しながら、SBのポジションを自分のモノにしようとしている。

「(右サイドでコンビを組むSH藤森)颯汰からも声を掛けてもらって、少しずつやりやすくなっているのかなと思っています。自分、いつも(日本高校選抜メンバーで流経大柏の後輩SB 大川)佳風とかにこういう場面だったらどうしたいとか、今日も(田澤)夢積にこういう場面だったらどういうプレーするの?みたいに聞いているんで、自分は周りから取り入れることがとても多いなと思っています」

 前回の選考合宿後には流経大柏の新チームのトレーニングにも参加。右SBに入り、CBではほとんど上げることのなかったクロスやSHとの連係の感覚を高めてきたDFは、10日の練習試合で周囲と連動しながら上下動するなど目立つプレーを見せていた。

 この日は全体トレーニング後、MF田澤夢積(青森山田高3年)と2人だけ残って居残り練習。「(この合宿で)天然芝での練習が初めてだったので、明日試合に出たとしたらクロスがあると思うので、少しクロスの感覚を確かめようと思って練習しました」。2人でクロスの感覚を確かめ合い、準備を終えた。

 高校選抜では「持ち味を存分に発揮する」「悔いのないようなプレーをする」ことにこだわる。全国制覇を目指した選手権は、PK戦の末に「思っていなかった」初戦敗退。先制し、その後圧倒的に攻めながらも2点目を奪えず、後半に追いつかれて涙をのんだ。「失点のシーンは自分の判断ミスが出てしまったので。決めるところ決めないと、というのはそうなんですけれども、少ない本数で決められるDFが悪いので責任を感じています」。予選も含めて選手権では十分に出し切れなかったと感じているDFはまず、高校選抜で自分の力を出し切ることを考えている。

「正直自分は選ばれて嬉しいというのがあるんですけれども、このたくさんいる人数の中で選ばれたので、自分の持ち味を(予選を含めて)選手権ではあまり出せなかったので、そこを存分に発揮しよう、悔いのないようなプレーをしようかなと思いました」

 選手権では国立競技場のピッチで戦うことができなかったが、「NEXT GENERATION MATCH」は、日韓ワールドカップ決勝が開催された日産スタジアムでプレーすることができる。「ああいう大きなスタジアムで試合をしたことがあまりないのでワクワクしていますし、自分もああいう舞台でスピードなどのプレーを発揮できれば、プロとかの目にも少しはつくんじゃないかなと思っています。まずは無失点という結果にこだわって、SBだったらガンガン自分で行くチャンスがあるので、点を取りたいと思っています」と力を込めた。特長を存分に発揮し、無失点で勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
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