beacon

日本vsブラジル 試合前日の森保一監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表は6日、キリンチャレンジカップでブラジル代表と対戦する。森保一監督は5日、国立競技場で前日会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「世界王者とも言えるブラジルとの対戦を楽しみにしている。われわれ日本代表チームだけでなく、日本サッカーのファン、日本サッカーファミリーの皆さん、全ての人たちがこの対戦を楽しみにしていると思うし、世界で最も有名だと言えるブラジルが日本に来てくれて、サッカーに興味のない方やライト層の方々にもサッカーを見ていただけるいい機会になるのではないかと思っている。サッカーを見ていただくことで、サッカーが日本国民の皆さんに社会貢献できるということをお見せできたらと思う。相手は間違いなく強いということは選手、スタッフ、全ての人が認識している。これまでの対戦結果で、勝利がないことはデータ的にはあるかもしれないが、ホームで持っている力を全て発揮し、トライすべきことはトライし、勝利を目指して戦いたい」

―攻守で試したいことは。
「パラグアイ戦から選手が大幅に入れ替わると思うので、まずは選手のコンディションを見るということ、明日の試合で個々のパフォーマンスがどうであるかというところを見たいと思っている。チームとしてのチャレンジ、トライという部分では、これまでやってきたコンセプトは世界で勝っていくために見据えてやってきたつもり。攻撃の部分ではいい守備からいい攻撃に移るところで、相手のハイプレッシャーをかいくぐって速攻につなげられるところ、ボール保持につなげられるところを見せてほしい。どれだけ速い判断で連係連動できるかを見ていきたい。攻撃も守備もそうだが、組織で戦うことは間違いなくやっていかないといけない。個々でマッチアップするとき、攻撃でも守備でも相手にどれだけ上回っていけるかをチャレンジしてもらいたい。ここからW杯で結果を残すため、また新たなスタートをパラグアイ戦から切ったけれど、これまでのわれわれのレベルではなく、今までの自分たちの限界を超えるトライをしていかないといけない。明日は選手たちにトライしてもらいたい」

―国立競技場で試合をすることについて。
「国立競技場は日本サッカーの歴史が詰まっているサッカーの聖地だと思っている。過去の歴史を作ってきて下さった人たち、日本サッカーの歴史をつないでくださった人たち、尽力してくださった人たちの思いと、未来に向けての思いが詰まったところだと思う。国立競技場が新しくなり、われわれにとって初めて試合ができる。日本サッカーの発展をまた感じていただけるような結果を求めながら、明日の試合で全力を尽くしたい。この国立競技場でブラジルに勝って、歴史をつなげていけるようにしたい」

―明日のゲームプランをどう考えているか。
「ゲームプランは攻撃も守備もまずはアグレッシブに仕掛けていくところを入りの部分から、勇気を持ってアグレッシブにプレーしてほしい。その後だが、これまでやってきたことを出せるようにという部分。アジアの戦いではボールを持てる時間があったが、ボールを持たれる時間もあると思う。積極的に入りの部分で戦うところから、相手にボールを持たれた時には相手の嫌がるいい守備をチームでしながら、ボールを奪うチャンスを逃さない、ボールを奪って素早い攻撃につなげていくところ、そして相手にスピードを止められた時には全員が勇気を持って関わって、ボールを保持しながら相手の守備網を崩していけるようにしたい。また守備から攻撃のところ、守備でしっかり我慢しながら攻撃につなげていくところをしていきたい。ただ試合展開はどうなるかわからない。コンセプトは同じで、いい守備からいい攻撃にというのは変わりない。対戦相手との力関係、調子、そして攻撃の時間が長くなるのか、守備の時間が長くなるのかはチームとして共有してやってきた。全体的なコンセプトは変わらず、状況に応じて臨機応変に戦っていくところを出せれば。そういう意味でブラジルは分析の機会を与えていただいたが、見れば見るほどいろんなことができるチームだと思う。ブラジルは華麗にプレーしているだけかというと、泥臭く、我慢強く、粘り強くやることをやって、全員が持っているものを最大限発揮している。学ぶべきものがたくさんあるので、いろんなことを感じながら、目線は同じで、われわれはできるという思いを持って戦ってほしい」

―強化試合として臨むのか、W杯本番を意識して臨むのか。
「キリンチャレンジ杯でブラジルという強豪と対戦させていただき、マッチメークに尽力してくださった方々に感謝したい。W杯を見据えて戦うというところはわれわれが積み上げていかないといけないところ。強化試合の中でも1試合1試合、結果の責任は問われる。われわれも勝利にこだわりながら、公式戦であっても親善試合であっても結果にこだわって戦ってきた中で、いろんなトライ、チャレンジをするところをやってきた。それは変わらず、目標のW杯で最強チームを作る中で、1試合1試合積み上げていけるように戦いたい」

―ハイプレッシャーへの対策を具体的に教えてほしい。
「ボールを奪った瞬間、即座に奪い返しに来ると思うので、そのプレッシャーに遭ってもう一回ボールロストして攻撃されるのか、プレッシャーを回避してゴールに向かっていけるのか、ボールを保持できるのかは試合展開に大きな影響を及ぼす。奪った瞬間、われわれが守備をしながら攻撃に移るときにプレッシャーをかいくぐっていけるかをチームとして共有しながら戦いたい。明日の試合の中で、(ブラジルの)韓国戦もそうだったが、ボールを持たせてもらえる時間帯もあると思うので、そこは選手にはボールを持てる時間、ボールを持つために自信を持ってボールを動かしながら、ボールの移動中にできるだけポジションを取って、いいポジションから相手の守備網を崩していけるように、そういう展開を多く作れるようにと思っている。守備から攻撃に移った時のプレス回避をできるかだと思う。オリンピックであったり、世界の強豪とこれまでのW杯であったり、強化試合であったりした時、その部分で切り替わった時に相手に喰われてしまうのか、プレッシャーを回避できるのかというところで試合結果が違ってきた過去の歴史がある。そこを一つ、予測力を速くして、判断を速くして、攻撃に移っていけるようにしたい。W杯で結果を残すためにも予測力をどれだけ上げられるかがテーマになるので、明日の試合もそれを意識して臨みたい」

―パラグアイ戦後、守りから攻めへの質を上げたいと言っていたが、ブラジル戦で選手に期待するところは。
「試合の中で個々が持っているストロングポイントを最大限に発揮してもらいながら、チームとして連係連動できるようにしてほしい。個々の良さを個で出すところはもちろん、局面として自分が持っているものを出してもらいたいが、チームとして戦って、お互いの良さを引き出せるように意思統一をして、連係連動して戦ってほしい。組織と個人の二つのことを言っているが、両方必要だと思う。勝つため、自分の良さを出すために戦ってほしい」

―選手起用についてはどう考えているか。またブラジル相手に前もって交代策を考えてからプレーするか。
「明日の先発メンバーに関しては皆さんに公開して練習をお見せしているので、多くの変更はないと思う。基本的には昨日の練習のメンバーで、ビブスを着てなかったメンバーが中心になると思うが。ただ、今日の練習を見てみないと分からない。怪我があったり、体調不良もあるので基本的には……としか言えないが、お見せした通りの流れで行きたい。交代についてはまだ考えていない。今回パラグアイ戦から4試合、強化試合をさせていただくということで、できるだけ多くの選手にピッチに立ってもらい、プレーをしてもらいたいと思っているが、明日のブラジル戦に関してはどういう交代で何分プレーしてもらうかは考えていない」

―W杯前はサバイバルを意識してバラバラになることもあるが、今のチームはすごくいい塩梅になっているように見える。意識づけやこういうことをしてくれと言っているのか。それとも、そもそもこうした大人のチームになっているのか。
「チームの戦うコンセプトとして、組織的に戦うところは選手たちに伝えているし、ただそれをいつも言っているわけではなく、いつも言っていることは個の力を発揮してほしいということ。個の力をどれだけ大きくできるかというところがあって、かつ個の力が大きくなった先に組織としてプレーできることがより強いチームになると話している。話さなくても日本代表で戦ってくれる選手たちはみんな頭の中で個の特徴をしっかり出せるように、個の強さ、個の旨さを培いながら連係連動するところを考えながらプレーしてくれていると思う。組織と個どっちを取りますかというと、個の部分を取ってもらえるようにと考えている。みんなバラバラとなりがちだが、選手たちは自分の力を最大限に発揮するため、日本人として、日本代表としてプレーするために組織力が大事だと考えるメンタリティーを持っている選手ばかり。技術、体力、フィジカル、メンタルを上げていくと同時に心というか、頭というか、心技体の心の部分で周りとつながることができる選手が集まっていると考えている」

(取材・文 竹内達也)
★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送

TOP