beacon

日本vsチュニジア 試合前日の森保一監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

森保一監督(写真左)

 日本代表は14日、キリンカップでチュニジア代表と対戦する。森保一監督は13日、パナソニックスタジアム吹田で前日オンライン会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「キリンカップ決勝戦のチュニジア戦に向けて、まずは明日の試合、勝利でキリン杯優勝でサポーターの皆さんに喜んでもらえるよう結果を出したい。またチームとしてはこれまで積み上げてきたものをさらに明日の試合の中で出せるようにしていきたい。選手たちには何よりも勝利を目指しながらも、個の力を100%出し切るということ、チームのために仲間のために走って戦う姿をサポーターの皆さんに見ていただき、元気や勇気を戦いの中から感じてもらえる試合にできればと思っている」

—まずは選手の状態について聞きたい。12日から冨安健洋がフルメニューをこなしているが、彼の状態については。先発もできる状態にあるのか。また伊東純也、中山雄太、柴崎岳も欠席があったが、先発が難しいという選手はいるのか。
「いまの質問にあった選手で、まずは冨安だが、長期離脱している中で今回の代表活動に来てもらいながら、試合にも出られるかもしれない見通しがある中で参加してもらい、明日の試合に向けてはチームの全体練習に合流しているので、出られる可能性も考えて、今日の練習後にメディカルスタッフ、ドクターと相談したい。しかしながら、いきなり国際試合のハイインテンシティーの中で、長期離脱から2〜3日の練習で試合ができるかというとリスクになるので、そこは慎重に考えていきたい。試合に出られなくても、今回の活動に参加してもらったことでチームの考え方、チームの現在地は他の選手たちとコミュニケーションを取りながら把握できたのはチームにとっても彼にとってもプラスになったと思っている。あと伊東純也はプレー可能。中山雄太は右足首を痛めているので明日プレーすることはできない。柴崎岳については今日、コロナの陰性判定を受けてトレーニングをできる報告を受けている」

―20年前の6月14日に日韓W杯のチュニジア戦があり、そこで日本は初めて決勝トーナメント進出を決めた。会場は違うが、同じ大阪、同じ相手との試合だが。
「20年前の日韓W杯と同じような結果を、明日のチュニジア戦で勝利をつかみ取りたいと思っているのが一番。20年の時を経て、日本のサッカーが成長しているところを見ていただいている方に感じてもらえる試合ができればと思う。同時にカタールW杯に向けて我々が積み上げてきたもの、今回の6月の代表活動で積み上げてきたものを明日の試合でチームとしても、見ていただいているサポーターの皆さんにも感じてもらえるようにしたい」

―4-1-4-1と4-2-3-1の選択は相手次第か、自分たち発信か。
「今回の代表活動ではわれわれがカタールW杯に向けてよりベースを強固に浸透させていく部分と、戦う選択肢を増やしていくことが大事。そして選手個々をより多く起用しながら、パフォーマンスを見極めるというところで、他にも理由はあるが、そういう目的で活動している。基本的には4-1-4-1からのスタートでプレーしてもらい、選手の対応能力や個々のパフォーマンスをスタートの段階では見る。試合の中で相手とのマッチアップの中で4-2-3-1という形で選手たちが判断してバランスを変えるのであればそれは認めていきたいし、意図的にスタッフの方から形を変えて戦うこともやってきた。これから先の戦いはW杯本大会に関しては自分たちの強みを出せることを第一に考えながら相手とのマッチアップ、かみ合わせを考えてシステムは使い分けていきたい」

―この4試合は、ロシアW杯の親善試合の使い方を参考にしたのか
「前回のW杯で西野さんから学ばせてもらったことはすべて私自身の仕事に活動に生かさせてもらっている。しかしながらロシアW杯と今回のW杯ではシチュエーションが違うし、実際に選手の状況もいろいろと違うところがあると思うので、W杯本大会を見据えつつ現状に合ったベストなことをやっていくということでいろんな判断、決断をしている。やり方が同じかは別として、西野さんもロシアW杯の大会前にこれがベストだということでいろんなチャレンジをしたと思うので、私も目の前のチームを見て最善策を行っている。選手はGKの大迫以外は全選手プレーしていると思うので、カタールW杯に向けてはここにいる選手だけが選択肢ではないが、ここの選手がカタールW杯に向けて貴重な経験を積みながら個の良さとチームの融合のクオリティーアップをしてくれていると思う」

―最後の試合はオプションをさらに増やすのか、オプションの精度を上げるのか
「システム的には大きな変化はないと思うが、人という意味ではまたチームのオプションを増やせるようにということでは考えていきたい。直近のガーナ戦からは大幅にメンバーを代えていきたいと思うし、いろんな組み合わせが見られて、いろんな融合が見られるかなと思っている。私のほうからシステムを変える指示も選手たちには出したいと思うが、選手たちを評価したいのはガーナ戦で4-1-4-1で入る戦い方をしながらも、相手アンカーに合わせて柴崎や航が状況を見て、4-2-3-1のようにタケをトップ下にして、相手を抑えながら個の良さを出すことを柔軟にやってくれたこと。選手が入れ替わる中、チームの戦い方のベースはもちろん、選手が活きるように、勝つために局面で相手を上回れるような判断力を見ていきたい」

—セットプレーの手応えは。
「セットプレーでなかなか点を取れていないところは選手も不安に思っているところもあるかもしれないが、決めていれば得点に至っている局面は増えてきているし、これまでも数多く作れてきている。大切なのはW杯本大会に向けて、クオリティーを少しでも上げていく、できれば得点を奪うこと。それをできればやっていかないといけない中で、確実にベースの部分とオプションの幅は広がっている。チュニジアの分析はしているし、分析をした上でわれわれが狙っていくことは明日の試合でも選手たちにトライしてもらいたい。今後も継続して相手の分析から狙うべきところを狙っていくことをやり続けたい」

—最終チェックをしておきたいポイントは。
「最終チェックという意味ではまずは戦術的なところで言えば、守備から攻撃に移った時のより効果的なボールの動かし方、プレス回避をしていくところ。できれば縦に行く、サイドの広いところにボールを持っていく、それもできなければプレッシャーがかかるときに保持して攻撃を組み立てる部分。最後にビルドアップから、速攻からも含めて得点を奪う形を作ることをピッチの中で見たい。守備の部分で言うと、ボールを奪うことをしっかり考えつつ、前からプレッシャーをかけて奪えばいいのか、いったん形を作ってミドルゾーンから相手にプレッシャーをかけてカウンターを狙っていくのか。守備でボールを奪いに行くところと、形を作って奪うところをつくれるかを見ていきたい」

—チームマネジメントにおける最終チェックは。
「チームのマネジメントとしてはすでに見られているところもあると思うけど、今回の2週間以上になるが、W杯に向けても長期間、チームの活動がある中で、ここで試合に満足に出られる選手、そうでない選手となってしまい、全員で平等に出場機会を与えられるわけではないので、そこで選手たちがどうモチベーションを保って、ストレスと向き合って、チームの一員として過ごしてくれるかは見させてもらった。全員に出場機会を与えることはできなかったが、選手全員がチーム全体で支えられるほうになっても、支えるほうになっても、チームのために自分がその時の立ち位置から自分ができることをしっかりやる、チームのためにやっていくと言うことをやっってくれたので、選手の頑張りに満足している」

—全体練習では冨安健洋は右サイドバックのような形で練習していたそうだが、右サイドバックでの起用はあるか。また右サイドバック起用はどういう位置付けか。
「まずは試合に使えるかというところで、使えるとは言い難い状況ではある。どこで使うかは決まっているわけではないが、センターバックも右サイドバックももし使えるのであれば考えたいし、センターバックでの冨安は数多く代表でも見させてもらっているので、サイドで起用することはもし可能であれば考えていきたいと思っている。」

—本大会を見据えて右サイドバックでの起用もあるか。
「可能性があると思う。冨安だけでなく、吉田麻也、板倉滉、谷口彰悟、伊藤洋輝とセンターバックでプレーしてくれている選手がハイパフォーマンスを見せてくれているので、冨安だったり他の選手を起用することもあるけど、トミに関しては右サイドバックも左サイドバックも、アジア杯ではボランチでも起用したが、サイドで起用する部分は所属チームで起用されている部分を代表でも活かすという意味では選択肢として広がっていくと捉えている」

—ブラジル戦をW杯初戦に見立て、ここまで1勝1敗でグループリーグ3戦目という共通認識があるのか。
「中3日の過ごし方については今回の4試合の中で選手のコンディションの作り方、トレーニングの構築の仕方、ミーティングをどう挟んでいく等々、チームのマネジメントとして非常にいいシミュレーションになった。ブラジル戦をW杯の1戦目と捉える点についてはあるが、次がW杯の3戦目にあたるとは伝えていない。ブラジル戦を終えて、そのダメージを引きずらず、2戦目に向かっていく、3戦目に向かっていくことをチームで共有してやっている」

—ここが3戦目とは決めていないか。
「選手たちに伝えてはいない」

(取材・文 竹内達也)
★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送

TOP