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リベンジ、そして欠場した10番のために。聖光が夏準Vの宇部鴻城を破り、10年ぶりの全国へ前進:山口

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聖光高が1-0で宇部鴻城高にリベンジ。山口準決勝進出

[10.30 選手権山口県予選準々決勝 聖光高 1-0 宇部鴻城高 おのサンサッカーパーク]

 インターハイ予選の雪辱を果たし、山口4強入り――。30日、第101回全国高校サッカー選手権山口県予選準決勝が行われ、聖光高が1-0で宇部鴻城高に勝利。聖光は11月6日の準決勝で西京高と戦う。

 インターハイ予選準々決勝の再戦は、前回敗れている聖光が勝利した。山本秀和監督が、「ここ2か月、守備をテーマに徹底してやっています。プリンス(リーグ中国の)チームともやって、全然強度は対応できるので」という守備からリズム。何よりも、打倒・宇部鴻城への強い思い、欠場した10番MF國武蓮太(3年)のために勝つという思いが表現される試合だった。

 CB河村慶主将(3年)は、「インターハイで負けたというところもあったので、今日はアップから全員『絶対に勝ってやろう』という気持ちが出ていたので、しっかり良い準備ができたことで結果が出たのかなと思います。(欠場した)10番の國武はインターハイ怪我で出れていなかったので、『絶対、来週に繋げよう』という気持ちが3年生にあったと思います」と説明する。

 守備を重視しながら、推進力のあるFW弘中蓮(3年)らを活用した攻撃。緊張もあってから前半やや重心の重かった宇部鴻城を押し込み、セットプレーから河村が先制点を叩き出した。

 後半は怪我明けの主軸FW黒羽大雅(3年)を投入した宇部鴻城が巻き返す。DF岡村譲二朗主将(3年)やMF福永浬琉(2年)がボールを繋いで前線までボールを運んでいく。そして、MF前田周宥(3年)らが崩しにチャレンジ。だが、聖光の守りは堅い。

「インハイで宇部鴻城はクロスからだった。クロス入れてヘディングで合わせるやり方なので、それを自分は分かっていたので、今回も来るなと思っていて最初から来始めていたので狙って行きました」というGK松尾瞬哉(3年)が上体の強さも活かして相手のクロスを確実にキャッチ。また、万能CB河村や前への強さが魅力のCB最上尚哉(3年)らDF陣が押し込まれても最後の局面でシュートを打たせない。

 逆に交代出場で存在感のある動きをしていたFW原田大叶(2年)ら交代カードの2年生たちが力を示し、チャンスを作り出して見せる。宇部鴻城はMF松村和哉(2年)のドリブルなどを交えて反撃。終了間際までゴール前のシーンを作り続けていたが、ラストパスをCB河村にインターセプトされるなど厚い聖光の守りをこじ開けることができなかった。

 聖光は10年ぶりの選手権出場へ、雪辱勝利。伝統校・山口高戦から始まった選手権予選の次の相手は西京高で、決勝では昨年度全国3位の高川学園高対小野田工高戦の勝者が待ち構える。だが、今月1日の県1部リーグで高川学園を3-0で下し、西京とのリーグ戦は今季2戦2勝。自分たちに自信も持っている聖光は「今年は一番苦しい山。でも、全部やっつけて優勝しようと」(山本監督)という目標を本気で実現する意気込みだ。

 河村は「高川も強いですし、準決勝も西京と当たるけれど今のチーム状態だったら無失点とかで終われるんじゃないかなと思っています」と語り、GK松尾は「西京倒して、決勝も勝って、山口県を制覇して勝ち進みたいですね。全国で聖光って有名ではないじゃないですか。山口と言ったら高川とかなので、聖光も高川くらい有名にして常連校になれるようにしたい」と誓う。まずは準決勝の勝利に集中。そして、決勝も勝ってこの冬は聖光が全国で活躍する。

(取材・文 吉田太郎)
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