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インハイ予選で歴史塗り替えた宇部鴻城、繋いで攻め続けるも0-1で涙:山口

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宇部鴻城高は183cmボランチMF福永浬琉ら下級生たちが来年、新たな歴史を築く

[10.30 選手権山口県予選準々決勝 聖光高 1-0 宇部鴻城高 おのサンサッカーパーク]

 宇部鴻城高は、今夏のインターハイ予選で創部以来初の決勝進出。その決勝で名門・高川学園高と1点差の好勝負を演じた。選手権予選でも準々決勝へ駒を進め、この日は94年度以来となる4強入りを懸けて聖光高と対戦。特に後半はボールを保持して攻め続けたが、最後まで1点を奪うことができずに敗退となった。

 後半開始から怪我明けのFW黒羽大雅(3年)を投入。DF岡村譲二朗主将(3年)やMF福永浬琉(2年)、MF濱月幸樹(3年)らが自陣PAから丁寧に繋ぐ。そして、敵陣PA付近では、MF前田周宥(3年)らがボールを外、中へと動かして崩そうとしていた。また、後方でDF吉田太海(3年)、岡村、DF山本結斗(3年)の3バックが対人の強さを発揮。DF陣の支えも受けながら前に出て厚みのある攻撃を繰り出した。

 だが、最後の局面でわずかに判断が遅れたり、ひと手間掛けすぎて跳ね返されたシーンも。相手に構えられた中、ミドルシュートなど思い切ったプレーも必要だったかもしれない。スタイルを貫いた宇部鴻城だが、この日は聖光高の守りに上回られた。

 強豪・神村学園高コーチを経て指揮を執る湊卓也監督は、「やってきたことを全て出し切りたかった」。目には涙。夏に歴史を変えた教え子たちについて、「優しい子たちでした」と力を引き出してあげられなかったことを残念がった。

 それでも、福永や後半にドリブルでチャンスメークしたMF松村和哉(2年)、1年生守護神の松本翔らが残る。ボールを大事にワンツー、ドリブルなどを駆使するスタイルは変えず、「これで行きます」と指揮官。来年、より研ぎ澄まされた攻撃サッカーで新たな歴史を築く。

(取材・文 吉田太郎)
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