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夏の悔しさバネにゴール量産。4戦連発の津工MF増山万太は「決勝も自分がゴールを決めて全国へ」

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後半25分、津工高MF増山万太(3年=FC.Avenidasol出身、9番)が決勝ゴール

[11.3 選手権三重県予選準決勝 海星高 0-1 津工高 四日市市中央緑地陸上競技場]

 4戦連発。悔しい敗戦を糧に得点力を高めてきたMFが、津工高を6年ぶりの決勝へ導いた。0-0の後半25分、津工は敵陣右寄りの位置でボールを持ったMF山副朱生(3年)がスルーパス。シャドーの位置から抜け出したMF増山万太(3年=FC.Avenidasol出身)が右足を振り抜く。「(監督の)片野(典和)先生のメニューで普段から縦出して逆に打ち込むという練習はやっているので、練習通りにできて良かったです」という一撃が逆サイドのネットに吸い込まれ、決勝点となった。

 増山はこれで初戦から4試合連続ゴール。スピードが武器の俊足アタッカーは、県1部リーグでチームトップの14得点を叩き出している。夏頃はコンディションを崩していたというものの、ここへ来て好調。インターハイ予選準決勝の敗戦からこだわって続けてきたトレーニングの成果を発揮している。

 津工はインターハイ予選準決勝で四日市中央工高に0-1で惜敗。増山はチャンスでクロスバーに当てるなど決められなかったことを悔しがる。「あそこで決めていれば僕たちが勝って全国行っていたので、非常に悔しくて、後悔もしたのでそれから後悔しないようにシュート練習を一本一本丁寧にやってきた」。インターハイ予選敗退直後、津工元監督で、当時三重県サッカー協会の専務理事だった藤田一豊アドバイザーが、キーマンに挙げたのは増山。「万太が点獲ったら勝つんだよ」。その言葉通り、彼のゴールが今大会、決勝への道を切り開いている。

 増山は先輩たちや恩師のために全国大会へ出場することを誓う。「最初は全然足下なくて、自分、去年もトップチームでやらせてもらっていたんですけれども、そこで去年の3年生に色々教えてもらって、足下ないなりのプレーと言うか、磨きかけてきたので去年の先輩にも感謝したいですし、ここまで捨てずに連れて来てくれた片野先生たちにも感謝して決勝に臨みたい」と力を込める。

 1.5列目からの鋭い動き出しが特長。その増山が決勝でも求めるのは、ゴールだ。「自分は(全国大会に)一回も出たこと無いのでワクワクしますし、山商(宇治山田商高)はCB2人が堅くてちょっと不安もあるんですけれどもこじ開けて、全国行けるように頑張りたいです。決勝も自分がゴールを決めて全国へ行きたいです」。決勝でも決めて、チームメート、恩師と選手権出場を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
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