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清水内定FW森重陽介が全得点に絡む!! 日大藤沢、“的を絞らせない攻撃”で桐光学園を4発撃破

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桐光学園を下した日大藤沢高が決勝進出

[11.5 選手権神奈川県予選準決勝 桐光学園 0-4 日大藤沢 等々力]

 5日、第101回全国高校サッカー選手権神奈川県予選準決勝が行われ、夏の高校総体における県代表である日大藤沢高と前年度王者の桐光学園高が対戦。激しい攻防となる中で、清水内定FW森重陽介(3年)が全てのゴールに絡む活躍を見せ、日大藤沢が4-0の快勝となった。

「単に勝つだけではない勝ち方をしたい」

 初戦敗退に終わった全国高校総体終幕後から、日大藤沢・佐藤輝勝監督が考えていたのはそんなことだった。夏の全国舞台では「なまじ森重が競り勝てるだけに、やってきたことを出すのではなく、そこへ向かって蹴るばかりのサッカーをしてしまった」と、198cmの大型FWに「頼りすぎた」ことを最大の反省点に挙げていた。

 夏までも後方からのビルドアップにこだわりを持って取り組んできたが、この敗戦を受けてよりその点を強調するようになった。繋いでくるスタイルをベースとするからこそ、森重の高さを活かすプレーもより怖さを出せるという相乗効果を狙った面もあり、この準決勝はまさにその点が実を結ぶ試合内容となった。

 ライバル決戦となったこの準決勝、前半の内容で上回ったのは日大藤沢だった。ビルドアップに長けるDF宮崎達也(2年)ら後方の選手よりの配球を起点としながら、「全国でもトップレベルだと思っている桐光さんのプレスから逃げるのではなく、はがしにいく」(佐藤監督)プレーを試みながら相手を押し込んでいく。夏の全国高校総体とは異なり、シンプルに森重を活かす場面と、技巧的に短く繋ぐプレーをしっかり使い分けることで的を絞らせなかった。

 そして先制点は前半19分、森重の高さを活かすセットプレーから生まれた。宮崎のCKに森重が頭で合わせ、その流れたボールをMF野澤勇飛(3年)が押し込み、1-0。さらに続く22分にも、DFアッパ勇輝(3年)のクロスを受けた森重からのボールをMF安場壮志朗(3年)が決めて、早くも2点のリードを奪った。

 前半シュート1本に抑え込まれた桐光学園は後半から反撃を開始する。「人も変えて、システムも変えて(点を)取りにいった」(鈴木勝大監督)。後半立ち上がりから右サイドのMFベイリージャスティン勇誠(3年)の鋭い突破などを織り交ぜつつゴールに迫るシーンを何度も作り出したが、FW野頼駿介(3年)の決定的なヘディングシュートが、日大藤沢の守護神であり主将、「人間力の塊」(佐藤監督)であるGK岡本亜鶴(3年)がセーブし、ゴールを許さない。

 結果的にこの序盤の流れで得点を奪えなかったことで桐光学園の勝機は失われた。後半10分にはまたもゴール前で森重が起点となるプレーからこぼれてきたボールをMF岡西亜憐(3年)が押し込んで、3-0。さらに24分には森重がPKを沈めて、4-0とリードをさらに広げた。

 桐光学園は点差が開いた状況でも勝負を捨てず、ロングスローなどからゴールに迫る場面を作ったが、「最後に足を出せるかといった勝負のキワの部分で相手が上回っていた」と鈴木監督が振り返ったとおり、森重がセンターバックへ移って高さの部分でも補強された日大藤沢の体を張った守りを崩し切れず。そのまま試合終了の笛をきくこととなった。

 勝った日大藤沢は湘南工科大附高の待つ決勝戦へ。奇しくも夏の全国高校総体予選と同じカードとなった。夏は2校の代表枠を分け合った状況での決勝だったが、今度は1校の代表枠を決める最終決戦となる。

(取材・文 川端暁彦)
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