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目標は支えてくれた仲間たちに恩返しすること。市立船橋は今季からCB挑戦の宮川瑛光が先制ヘッド:千葉

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前半7分、市立船橋高CB宮川瑛光(3年=FC東京U-15深川出身)が先制ヘッド

[11.5 選手権千葉県予選準決勝 市立船橋高 4-1 拓大紅陵高 柏の葉公園総合競技場]

 チームメートへの恩返しを誓うCBが、先制点を決めた。前半7分、市立船橋高は左FKからMF太田隼剛主将(3年)がクイックリスタート。左足でクロスボールを上げると、「(太田が)中を見ていたので、自分は信じて飛び込むだけでした」というCB宮川瑛光(3年=FC東京U-15深川出身)が頭で叩きつけ、ゴールを破った。

 例え、自分が決められなくても「自分は最悪潰れてでも後ろに流そうと思っていた。ドンピシャで来たので合わせるだけでした」と宮川。元FWで今春からCBを務める男が、千葉準決勝で貴重なゴールを決めた。

 宮川はこの日、守備面でも最終ラインで高さを発揮。また、拓大紅陵高の10番MF細谷怜大(3年)の鋭いドリブルを個で阻止するシーンもあった。コンバート当初、「本当に何でだろうというのと不安もありましたし、上手くいかないことも多かったので、(自宅の)部屋で一人で悩むことも多かった」というDFは今や、最終ラインの柱に。堅守・市立船橋の中心選手になっている。

 チームメートに助言を受け、プレミアリーグで鍛えられながら成長。本人もヘディングの部分などで進化を実感しているが、まだまだだと繰り返す。「実際、自分がピッチ内で感じていることはまだまだ足りないです。周りの五耒(凌空)や(太田)隼剛、(ギマラエス・)ニコラスに迷惑しか掛けていない。1年間支えてもらったので、自分はあと数か月の間で少しでも良くしてもっとチームに貢献したい」。1対1やビルドアップの判断の部分からもっとレベルアップすること。選手権までの期間で成長するためにも、11日の決勝は絶対に負けられない。

「自分たち後ろがゼロで終えることができれば、前線の選手が点を取ってくれるので、何が何でも自分たちがゼロに抑えて、その上セットプレーでバックラインの自分たちが点を取ってチームを全国へ導けたらなと思います」。今大会は2試合連続で1失点。ここまで自分を支え、成長させてくれた仲間たちのためにも決勝は必ずゼロに抑えて、勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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