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[MOM4578]昌平FW鄭志錫(2年)_玉田圭司コーチの教え「シュートを打つ時は常にリラックス」を体現

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.29 選手権1回戦 昌平7-0奈良育英 埼スタ]

 初戦を7発圧勝でスタートした昌平高で、唯一の複数得点を決めたのが2年生FWの鄭志錫(ちょん・ちそっ)だった。

 まずは前半11分に決まったFW小田晄平(3年)の先制点を横パスでお膳立てすると、2-0で迎えた前半36分にMF長準喜(3年)のシュートのこぼれ球を押し込んで加点。

 そして後半21分にはFW工藤聖太郎(3年)の落としで裏を取ると、GKとの1対1を冷静に制して、勝利を決定づける得点を奪った。

「選手権に出て点を取ることを目標にやってきた。そこで点を取れたのは嬉しいですし、何より勝てたことが嬉しいです」

 前半11分のアシストの場面は、自分でも打てるタイミングがあったが、落ち着いて横でフリーになっていた小田にパスを出した。

 今年の昌平はインターハイは予選で敗退するなど、勝負所で苦戦してきた。そこで鄭自身も「1点の重み」を嫌というほど感じてきたという。

「シュートを打とうとも思ったんですけど、チームが勝つことを最優先と考えて、取れるときにより可能性の高い方をと思って選択しました」

 ある人との出会いも大きい。村松明人監督らと習志野高時代に同期だった元日本代表FWの玉田圭司氏がコーチに就任。月一回、一週間ほどチームに帯同して生徒たちに指導している。

 そこで徹底して言われることは、「シュートを打つ時は常にリラックスしろ」ということ。「インパクトの瞬間だけ力を入れろ」という話とともに、実演を交えて指導してくれているようだ。

 鄭も後半21分に決まった自身2点目のゴールは、玉田コーチの指導のおかげだと感謝する。「顔を上げてGKの位置をみて、リラックスして空いているコースに流し込めた」。引き続き、実践していきたいと笑みを浮かべた。

 全国の強敵との対戦が続く。ただ今年1年の積み上げで、「自信もついている」と胸を張る。「今日の大勝に浮かれることなく、しっかりと準備したい」。激しいFWのポジション争いの中でしっかり結果を残す2年生ストライカーが、注目校を上位へと導く。

(取材・文 児玉幸洋)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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