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[MOM4594]広島国際学院MF石川撞真(3年)_県予選の負傷で全国はサブ起用…開幕国立の悔しさ「ぶつけた」10番が静学撃破弾

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広島国際学院高MF石川撞真(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権2回戦 広島国際学院 1-1(PK4-3) 静岡学園 浦和駒場]

 広島県予選の決勝戦で右足首を負傷し、今大会はスーパーサブに回っている“ナンバー10”が静岡学園高を破る立役者となった。後半9分、値千金の先制ゴールを奪った広島国際学院高MF石川撞真(3年=広島ピジョンFC)は「途中から出たら結果だけを求められるので良かった」と喜びを語った。

 一方的にボールを支配される中でも、なんとか前半をスコアレスで折り返した広島国際学院は後半開始時、石川を2トップの一角で投入。すぐに試合を動かした。相手のクロス攻勢のクリアボール起点でカウンターを仕掛け、右サイドをFW野見明輝(3年)が突破。グラウンダークロスはやや手前に入ったが、石川が力強く身体を捻って右足を振り抜き、ポストに当ててねじ込んだ。

「たぶん明輝からのはパスミスだったので、最初はうわっと(笑)。自分もちょっとトラップをミスったけど、そのあとしっかりコントロールして、いい形でシュートを打てたので良かったです」(石川)

 広島県予選決勝の瀬戸内高戦(◯1-0)で右足首を負傷し、いまも「テーピングでガチガチにしてもらっている状態」(石川)。国立競技場で行われた開幕戦・早稲田実高戦も途中出場だったため、「めっちゃ先発で出たかったですね。入場もしたかった。点も決めたかった」と悔しさが残っていたが、この日の得点で「(悔しさを)めっちゃうまくぶつけられました」と微笑んだ。

 広島国際学院は今大会が選手権初出場。中学時代に広島ピジョンFCでチームメートだったMF長谷川蒼矢、DF島川翔汰、DF藤井海地らとともに「みんな行くってなったのでじゃあ僕も行こう」と進学した石川にとって、全国の舞台で静岡学園を破る未来は「想像もしていなかった」という。

 それでも1年時に「ルーキーリーグで優勝できて、ちょっと自信がついていけるんじゃないかと思っていた」と石川。「みんなずっと一緒でコミュニケーションも取れてるし、同じチームじゃなくてもみんな中学校から知り合いなのでそれが良かったのかなと思っています」という広島出身者が並ぶチームメートと歴史を切り拓いた。

 国立での開幕戦に続き、難敵の静岡学園を撃破し、勢いに乗った状態で3回戦に進出。相手は過去7大会で3度の日本一を誇る青森山田高だが、「変に気負ったらみんな緊張しちゃうので」と臆せず向かっていく構えだ。石川は卒業後、大阪府の私立大に進学予定。「みんなとバイバイしちゃうので、最後の大会でみんなともっと続けられるように頑張ります」と仲間たちとの日々を少しでも長く過ごしていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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