「東北基準ではダメ」。大津を苦しめるも惜敗…伝統校・遠野は全国の基準を忘れずに来季へ
[12.31 選手権2回戦 遠野高 0-1 大津高 埼玉]
0-1で敗れたものの、岩手県1部リーグ所属の遠野高(岩手)がプレミアリーグ勢相手に堂々の戦いを見せた。前半は大津高(熊本)のスピード感に慣れず、8分に失点。セカンドボールを拾われて押し込まれる時間が続いた。
だが、徐々に慣れた選手たちは相手のプレッシャーをドリブルやショートパスで剥がし、前進。「(コーチ陣から)ハーフタイムに『自分たちのサッカーを忘れるな』と」(CB畠山哉人主将、3年)助言されたチームは、10番MF昆野翔太(3年)やMF菊池遥大(3年)、MF馬場大瀬(2年)が巧みにDF間を取りながらボールを前進させた。
コンパクトな守備でも大津に対抗。CB畠山や菊池、昆野の好守でボールを奪い取り、攻撃に結びつけて行く。そして、様々なバリエーションを準備してきたというセットプレーも披露。後半20分、22分には右SB右近優太(3年)のスルーパス、クロスから決定機も作り出した。
終盤もボールを保持しながらドリブル突破やグループでの崩しにチャレンジ。遠野OBでもある佐藤邦祥監督が、「遠野高校としてやりたいサッカーは展開できた」と振り返る内容だったが、経験値豊富な大津から1点を奪い返すことができず、無念の初戦敗退となった。
主将の畠山は足首の怪我を繰り返し、県予選決勝を欠場。この日は怪我のDF菊池晃太(2年)に代わっての先発だったというが、出足の良い潰しや身体を張った守りも見せていた。「(キャプテンとして)1年間ずっと勝利に向かっていけたらと思っていましたし、(菊池の)代わりに出たんですけれども、代わりにはなれたかなと思っています」と頷く。
だが、チームは惜敗。選手権準優勝1回、3位2回の歴史を持つ伝統校は23年、東北高校新人大会で初の決勝進出(準優勝)を果たし、夏の東北高校選手権では19年ぶりとなる優勝を達成した。実力はもちろん、一体感も兼備。畠山は「自分はキャプテンになった時から、仲の良いチームにしたいと思っていて、3年生は元々仲が良かったんですけれど、全学年が仲の良いチームに」なることを目指してきたという。だが、インターハイ、選手権ともに初戦敗退と全国大会では結果を残すことはできなかった。
畠山は「2年生もスタメンの中にいるので、その人達がいかに頑張ってくれるかがこれからの遠野高校にかかっていると思います。東北大会は19年ぶりの優勝ということで注目してもらえたことは嬉しいと思いますけれど、これだけ期待されている代でも2回戦で負けて、東北基準ではダメだというのを1、2年生は分かったと思うのでこれから頑張って欲しい」。3年生たちが後輩たちに素晴らしい景色を見せたことは間違いない。この日先発した馬場やFW照井颯人(2年)ら下級生たちが学んだ基準を忘れず、来年の勝利に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)
●第102回全国高校サッカー選手権特集
0-1で敗れたものの、岩手県1部リーグ所属の遠野高(岩手)がプレミアリーグ勢相手に堂々の戦いを見せた。前半は大津高(熊本)のスピード感に慣れず、8分に失点。セカンドボールを拾われて押し込まれる時間が続いた。
だが、徐々に慣れた選手たちは相手のプレッシャーをドリブルやショートパスで剥がし、前進。「(コーチ陣から)ハーフタイムに『自分たちのサッカーを忘れるな』と」(CB畠山哉人主将、3年)助言されたチームは、10番MF昆野翔太(3年)やMF菊池遥大(3年)、MF馬場大瀬(2年)が巧みにDF間を取りながらボールを前進させた。
コンパクトな守備でも大津に対抗。CB畠山や菊池、昆野の好守でボールを奪い取り、攻撃に結びつけて行く。そして、様々なバリエーションを準備してきたというセットプレーも披露。後半20分、22分には右SB右近優太(3年)のスルーパス、クロスから決定機も作り出した。
終盤もボールを保持しながらドリブル突破やグループでの崩しにチャレンジ。遠野OBでもある佐藤邦祥監督が、「遠野高校としてやりたいサッカーは展開できた」と振り返る内容だったが、経験値豊富な大津から1点を奪い返すことができず、無念の初戦敗退となった。
主将の畠山は足首の怪我を繰り返し、県予選決勝を欠場。この日は怪我のDF菊池晃太(2年)に代わっての先発だったというが、出足の良い潰しや身体を張った守りも見せていた。「(キャプテンとして)1年間ずっと勝利に向かっていけたらと思っていましたし、(菊池の)代わりに出たんですけれども、代わりにはなれたかなと思っています」と頷く。
だが、チームは惜敗。選手権準優勝1回、3位2回の歴史を持つ伝統校は23年、東北高校新人大会で初の決勝進出(準優勝)を果たし、夏の東北高校選手権では19年ぶりとなる優勝を達成した。実力はもちろん、一体感も兼備。畠山は「自分はキャプテンになった時から、仲の良いチームにしたいと思っていて、3年生は元々仲が良かったんですけれど、全学年が仲の良いチームに」なることを目指してきたという。だが、インターハイ、選手権ともに初戦敗退と全国大会では結果を残すことはできなかった。
畠山は「2年生もスタメンの中にいるので、その人達がいかに頑張ってくれるかがこれからの遠野高校にかかっていると思います。東北大会は19年ぶりの優勝ということで注目してもらえたことは嬉しいと思いますけれど、これだけ期待されている代でも2回戦で負けて、東北基準ではダメだというのを1、2年生は分かったと思うのでこれから頑張って欲しい」。3年生たちが後輩たちに素晴らしい景色を見せたことは間違いない。この日先発した馬場やFW照井颯人(2年)ら下級生たちが学んだ基準を忘れず、来年の勝利に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)
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