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東西注目対決は昌平が制す!! 1年生MF長璃喜がまたも劇的同点弾、PK戦で大津撃破

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FW小田晄平(背番号9)が同点ゴール

[1.2 選手権3回戦 昌平 2-2(PK5-4) 大津 浦和駒場]

 第102回全国高校サッカー選手権は2日、3回戦を各地で行い、浦和駒場スタジアムの第1試合は昌平高(埼玉)が大津高(熊本)を2-2で迎えたPK戦の末に破った。昌平はGK佐々木智太郎(2年)が1本ストップ。キッカーは全員が成功させ、ベスト8進出を果たした。

 2回戦では終了間際の劇的同点弾とPK戦により米子北高を破った昌平と、遠野高に1-0で競り勝った大津との高円宮杯プレミアリーグ東西対決。昌平は先発1人を入れ替え、FW鄭志錫(2年)に代わってMF西嶋大翔(3年)が入った。一方の大津も1人を変更。MF日置陽人(3年)に代わってFW山下景司(2年)を起用した。

 試合は昌平がボール保持率で上回り、一方の大津は堅い守備からつないでカウンターを狙うという構図。まずは前半3分、西嶋の縦パスを受けたFW小田晄平(3年)が右足で狙い、GK坊野雄大(2年)に襲い掛かる。対する大津は同12分、DF田辺幸久(3年)のロングスローを188cmの長身MF碇明日麻(3年)が頭でそらし、こぼれ球を拾った山下がミドルシュートを狙ったが、枠を外れた。

 昌平は前半16分にも西嶋のスルーパスに小田が抜け出し、大津ゴールを強襲。だが、これも坊野が冷静に処理した。同22分には大津がビッグチャンス。右サイドをオーバーラップしたDF大神優斗(2年)のハイクロスがゴール前に送り込まれ、碇が長身を活かしてヘディングシュート狙ったが、惜しくも左に外れた。

 試合が動いたのは前半37分、大津が先手を取った。中盤でボールを収めて左サイドからオープンな攻撃を仕掛けると、ボールを持ち上がったMF古川大地(3年)が左足でクロスボールを供給。ゴール前で碇がGK佐々木に競り勝ち、ゴール前にボールを落とすと、フリーで待っていた山下がボレーシュートで突き刺した。

 ところが前半アディショナルタイム1分、昌平もすぐに取り返した。中盤で前を向いた西嶋が起点となり、MF前田大樹(3年)とのパス交換で中央を美しく崩すと、前田のスルーパスに小田が反応。巧みな身体操作で相手DFを背中と腕で制し、左足で冷静にネットを揺らした。主審はここでタイムアップの笛。前半は1-1で終えた。

 後半は大津が力強い攻撃でより前に出られるようになり、昌平守備陣に圧力をかけていく。8分にはロングフィードを碇が落とし、裏に抜けた山下がファウルを誘ってゴール左斜め前でFKを獲得。古川のキックは枠を外れたが、いい形でチャンスを作った。

 後半19分、大津は長身ボランチのMF兼松将(2年)に代わって初戦先発の日置を投入。同23分には碇のポストプレーから右サイドを崩し、大神が惜しいシュートを放つと、同24分には古川の右CKから189cmの長身CB五嶋夏生(2年)がヘディングで脅威を見せた。昌平は後半25分、小田に代わって鄭を投入。その直後には鄭が大津GKに猛烈なプレッシングをかけ、ボールをカットしかける場面を作った。

 それでも後半28分、大津が再び均衡を破った。右サイドからのCKを古川がゴール前に送り込むと、一際高いジャンプを見せた碇がヘディングシュートを狙うと、この軌道上に立っていたFW稲田翼(3年)がフリック。ゴール右隅に押し込み、2-1とした。

 ところが昌平がまたしても意地を見せた。後半38分、高い位置で押し込んだ攻撃で鄭が身体を張ってボールを残し、MF長準喜(3年)が胸で落とすと、ペナルティエリア際で待っていた途中出場MF長璃喜(1年)が右足一閃。兄から弟へ、兄弟ホットラインから放たれた弾丸シュートがゴール左隅に突き刺さった。

 長璃喜は2回戦の米子北戦のラストプレー弾に続き、またしても土壇場で同点ゴール。1回戦から数えて3試合連続ゴールでチームを救った。勢いに乗る昌平は後半アディショナルタイム1分、長準喜のパスを受けたMF大谷湊斗(2年)がふわりと浮かせてペナルティエリア右から左足シュートを狙ったが、右サイドネットの外に当たった。そのまま2-2で終わり、勝負はPK戦に委ねられた。

 PK戦では先攻の昌平、後攻の大津ともに精度の高いキックが続いた中、昌平のGK佐々木が大津の3本目をストップ。他の選手は全員が成功させ、5-4で勝利した。

(取材・文 竹内達也)

●第102回全国高校サッカー選手権特集

竹内達也
Text by 竹内達也

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