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与えられた任務はJ内定FW郡司のマンマーク…名古屋DF太田陸斗「これがプロに行く選手なんだ」と感じた凄み

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清水内定FW郡司璃来(左)をマンマークした名古屋高DF太田陸斗(2年)

[1.4 選手権準々決勝 名古屋高 1-2 市立船橋高 柏の葉]

 与えられたミッションは、相手のエース封じ――。名古屋高DF太田陸斗(2年)は、市立船橋高のJ2清水内定FW郡司璃来(3年)を80分間監視下に置こうと奮闘した。

 キックオフ直後から市立船橋の背番号10を背負う郡司の横には名古屋の背番号2・太田が張り付いた。マンマークの役割を与えられ、「やってやろうという気持ちになった。正直、僕が押さえたら勝てる確率が上がると思うし、無失点で抑えて仕事をさせない気持ちで臨んだ」と意気揚々とピッチへと向かった。

 郡司が右へ動けば右へ、左に動けば左へ、中盤に下がればそれも追う。徹底して動きを封じ込めようとしたが、同時にJ内定選手の凄みにも触れることとなる。

「一瞬でマークを外されて、ボールが来ていたら危ないシーンが結構あった。駆け引きや一瞬のスピードのレベルが高かったし、いい意味ではっきりしないポジションを取っていて、捕まえづらい部分もあった」

 そして、1-1で迎えた後半開始早々の2分、一瞬の隙を突かれてしまう。左サイドをMF足立陽(3年)に突破されて折り返されると、郡司がPA内へと走り込んでくる。「郡司選手はボールと逆側に膨らんで行こうとしたのでついていこうとした」。しかし、郡司は方向転換してニアサイドへ。何とか食らいつこうと「ボールと郡司選手の間に体を入れようとした」ものの、「前に足を出されて決められてしまった」と右足で押し込まれて決勝点を奪われてしまった。

「ゴール前の一瞬の速さはすごかった。これがプロに行く選手なんだなと感じた」

 試合には1-2で敗れ、チームはベスト8敗退となった。しかし、大会ナンバー1とも呼ばれるストライカーと対峙したことは、太田にとって大きなプラスとなりそうだ。「注目されている選手を止める役割を与えてもらい、すごいワクワクしたし、楽しい80分間でした。一試合を通じて郡司選手をマークさせてもらったのは良い経験になりました」。この経験を糧にさらなる成長を果たし、最上級生となる来年度、再び全国の舞台に戻って来ることを誓う。

(取材・文 折戸岳彦)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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