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躍進の名古屋、4強入りはならず…背番号10背負ったMF原康介「こんなに応援されることはない。本当に楽しかった」

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突破を図る名古屋高MF原康介(3年)

[1.4 選手権準々決勝 名古屋高 1-2 市立船橋高 柏の葉]

 試合終了のホイッスルが吹かれた瞬間、それは初出場でベスト8まで辿り着いた名古屋高(愛知)の“冒険”の終わりを意味するものとなった。背番号10を託されたMF原康介(3年)は「楽しかったのが一番」と振り返った。

 前半21分に先制点を献上しながらも、アディショナルタイムにDF月岡陸斗(3年)のロングスローがオウンゴールを誘って試合を振り出しに戻す。しかし、後半立ち上がりの2分に市立船橋に勝ち越しを許してしまう。劣勢の中、原が存在感を高めていく。

「前半はどちらかというと、相手に慣れることができない部分があった。後半はもっとチャレンジしていこうと思っていて、そういう部分を少しは出せたと思う」

 ボールを持てば果敢に仕掛ける。一瞬の加速で相手を置き去りにしたかと思えば、小刻みなステップで翻ろうすることも。巧みな上半身のフェイントで逆を突くなど、ボールをゴールへと近付けた。しかし、最後まで同点ゴールは生まれず。1-2で敗れたチームはベスト8敗退となった。

 悔しい気持ちは当然ある。だが、「全国大会に出ることが一つの目標だったので、ベスト4を懸けて戦うところまで来ることは予想できなかったし、楽しかったのが一番でした」と納得の表情を見せる。

「率直にまずは楽しかったです。いろんな人にこんなに応援される機会はないことなので、本当に楽しかった。その中で、全国大会という舞台で、強豪校と呼ばれるチームと本気の勝負ができました。一つのミスでやられるところもありましたが、その本気のやり合いも楽しかったです」

 1回戦の日章学園、2回戦の北海はともに選手権出場10回を超え、3回戦の岡山学芸館は前年度王者、そして準々決勝の市立船橋は優勝5度を誇る名門中の名門だ。普段はなかなか味わえない観衆の中で全国の猛者と対峙したことは財産となる。そして、県勢として12年ぶりのベスト8進出を初出場で成し遂げたことは「名古屋高校にとっても、愛知県にとっても大きな意味を持つことだと思います」と胸を張って答えた。

(取材・文 折戸岳彦)

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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