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J内定FWの“相棒”務める2年生…選手権2点目の市立船橋FW久保原心優が国立へ「実力発揮すれば青森山田に勝てる」

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市立船橋高FW久保原心優(2年)

[1.4 選手権準々決勝 名古屋高 1-2 市立船橋高 柏の葉]

 J内定FWの相棒として、2年生FWが全国の舞台で躍動している。市立船橋高(千葉)は6日の準決勝で青森山田高(青森)と対戦。準々決勝で今大会2点目を挙げたFW久保原心優(2年)は「チームを勝たせる点というのを取りたい」とさらなる活躍を誓った。

 今大会2点目で先制点を奪った。前半21分、DF内川遼(3年)のクロスからMF足立陽(3年)がゴールに押し込むが、相手DFにクリアされる。しかし「一年間通していろんなゴールがあったけど、ほぼこぼれ球」と胸を張る久保原の”嗅覚”が反応。ゴール前で待ち構え、ヘディングシュートでゴールに叩き込んだ。

 今大会最注目の清水内定FW郡司璃来(3年)とともに2トップを張る。得点ランクトップとなる5点を沈めた郡司の横で、久保原も2得点。頼れる先輩は「敵うところがないくらい何でもできてしまう」存在だという。だからこそ「逆に自分は自分でできることをやろうという気持ちでいる」と久保原は力を込める。

 持ち味は“ゴールへの嗅覚”だ。先制点も「構えて見ていようと思ったら、ちょうどいいところにこぼれてきた」と振り返る。「ここに来るんじゃないかというところで待つために、いろんなところを見ている」。強力な味方が揃うからこそ、ゴール前でチャンスは生まれる。研ぎ澄まされた感覚が市立船橋の武器となっている。

 今年のチームは郡司を筆頭に3年生主体。久保原は2年生として未来も見据える。「郡司さんは来年いない。一年間見続けて、郡司さんのような存在になっていきたいという気持ちはある」。偉大な先輩の背中を追いかけながら「今のようではなれない。チームからも信頼されるような選手になりたいし、自分が点を取って勝たせる気持ちでいたい」とさらなる成長を追い求める。

 12年ぶりにベスト4入りを果たし、6日の準決勝では国立競技場で青森山田と対戦する。久保原も「倒したい気持ちはあるが、本当に一番強いと思っている」と強く警戒。「みんなやることがはっきりしていて、セットプレーでも独特の雰囲気がある。でも逆に言えば、(プレミアリーグで)前期も後期もセットプレーではやられていない。そこはしっかり自信を持ってやられないようにしないといけない」と分析していた。

 無失点に抑えるだけでは勝つことはできない。「一番求められるのは得点。郡司さんという存在がいるなかでも、今年の市船はいろんなところで点を取れる。自分たちも点が取れることを示して山田を倒したい」と久保原は気を吐く。「(市立船橋は)5回優勝している名門。日本一を取らなくてはいけない高校だと思うし、日本一を取れる代だと思う。実力を発揮すれば青森山田に勝てる」。大一番に向けて、心の準備は整っている。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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