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指先を抜けたPK…市立船橋2年生守護神ギマラエス・ニコラス「今年より強いチームを作るだけ」来年は双子共演も

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(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.6 選手権準決勝 市立船橋高 1-1(PK2-4)青森山田高 国立]

 もう少し腕を伸ばせたのではないか。止めなければ市立船橋高(千葉)の負けが決まってしまう青森山田高の5人目で蹴ったFW米谷壮史(3年)のPKは左隅に飛ぶ。GKギマラエス・ニコラス(2年)も懸命に手を伸ばしたが、勢いのあるシュートが指先を抜けていった。

「最後の一本でもう一個伸びることができれば、チームを次に進められたのかなと思う。でも後悔じゃないけど、自分の次につながるいいきっかけになったなと思います」

 PK戦は得意としていた。今大会の2回戦でも止めなければ敗退が決まるPKを含め、2本をストップ。負けはしたが、この日もコースはほぼ読み切っていた。「最初に先制されたけど、とにかく1点を決めて俺をPK戦に連れて行ってくれと頼んだ。そしたら本当に連れて行ってくれて。だからここで俺が止めてヒーローになるしかないと思った」。しかし勝利の瞬間が訪れることはなかった。

「(青森)山田とはプレミアでもやっていたので、こうやって戦えば自分たちの強みが出せると話していた。内容的にも自分たちがボールを持って進めることが出来ていたと思うし、いくつかミスはあったけど、勝ってもおかしくない試合だった。でも相手は1個のミスをつける強いチームだった。そこは来年も突き詰めてやっていきたいと思います」

 来年はより成長した姿で帰ってくることを約束する。今大会では実現しなかったが、双子の兄であるDFギマラエス・ガブリエル(2年)との兄弟共演という夢もある。「もちろんそこは目指しているし、(PKを)タリクが外したけど、全員でいいきっかけにして、新しいチームになるけど、今年より強いチームを作るだけかなと思います」。来年こそは憧れの国立で嬉し涙を流す。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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