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[MOM841]北海道教育大岩見沢校MF縄田脩平(4年)_初の夏冬全国勝利で実力証明…主将は“本気のサッカー”最後の舞台へ

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北海道教育大岩見沢校主将・縄田脩平(4年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 インカレ1回戦 北海道教育大岩見沢校 2-1 IPU・環太平洋大 流通経済大学龍ケ崎フィールド]

 延長戦突入が頭によぎる89分。勝利につながるゴールをヘディングで押し込んだのは、信頼厚い北海道教育大岩見沢校主将・縄田脩平(4年=浦和ユース)だ。

「石山(風吹・1年=長崎総合科学大附高)に入ったら仕掛けてくる。中で待っていたら、GKのパンチングがうまくこぼれてきた」と、後輩のプレーを信じてゴール前に詰めた。「自分がPKを与えるプレーを作り出してしまった。何やってるんだろうという気持ちだったし、取らないといけないなと思った」と主将としての責任感もあった。

「ピッチの中では監督」と安部久貴監督も全幅の信頼を寄せる縄田だが、本人は「キャプテンらしいことは、同期のみんなが目を向けてくれてて、自分はなにもしていない」と話す。だが、インカレ前日に掲載された部員ブログでは、チームメイトたちへの感謝を綴りつつ、「ピッチ内では絶対的な存在であり、結果を出すこと」こそが、自分に課してきたタスクであると記している。この日は「パフォーマンスは良くなかった」と自身の出来に厳しい採点をするが、役割を果たしてチームを次のステージへと導いた。

 岩教大が、同年度に総理大臣杯とインカレの両大会において勝利したのは、今回が初となる。安部監督は「大臣杯のベスト8は、運だけではないと示せた」と誇らしげに話す。しかし、夏は3回戦・国士館大戦では手も足も出ずに敗戦。そのとき感じた強度の差を、意識しながらここまで取り組んできた。「『全国大会1回戦を突破。関東、関西を倒す』というのが今年のチームの目標なので、桐蔭横浜大はとても強いと思うんですけど、しっかりトライして、北海道でもやれるんだぞということを、全国の皆さんに伝えたい」と縄田も次の試合へ意気込む。

「4年間でサッカーだけでなく、自立や人へ伝える力が身につき、人間性の部分で成長できた」と岩教大では充実した時間を得た。卒業後は埼玉に戻り、営業職に就くという縄田にとって、「本気のサッカー」はこの大会がラスト。「幼稚園からずっと続けてきたサッカーなので、経験を伝えたい」と土日に指導者として活動する予定だ。「悔いのないよう全力でやりたい」と力強く話す主将自らが結果を出して、北海道の力を示したい。

(取材・文 蟹江恭代)
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