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遠藤「戦う相手はジーコではなくイラク。勝って予選を優位に進めたい」

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 “ザックジャパンの心臓”、MF遠藤保仁(G大阪)がジーコに“恩返し勝利”を誓った。11日のW杯アジア最終予選ではジーコ監督率いるイラク代表と対戦する。

「戦うのはジーコではなくイラク。勝てば予選が優位に進むし、まだアウェーの試合が残っているので、ホームのアドバンテージを生かしたい」

 その言葉どおり、目の前の勝利に全力投球の遠藤だが、ジーコに対してはやはり特別な思いがある。

 初めて日本代表に呼ばれたジーコジャパン時代は、先発で30試合、途中出場で10試合に出場した。ザックジャパンでの出場試合数はまだ22試合である。

「自分にとってはいい経験をさせてもらったし、4年間一緒に仕事をした監督なので感謝の気持ちしかない。代表は来るたびに毎試合いい刺激を受けて、チームに帰るという繰り返し。代表に来ていろいろな選手と戦うことで、そのときに自分の足りないことに気づいて、そして努力する。これが代表に入って役に立っていること」と、感謝の思いを隠さない。

 イラクとはジーコジャパン時代の04年2月12日に対戦した際に先発フル出場し、2-0で勝利を収めている。公式戦ではなく親善試合。しかも120分の1であるが、印象は強い。

「覚えていますよ。フィジカルが強いなという印象はその当時も持っていたし、中東のチームなので基本的にフィジカルが強いイメージ。でもそのときに比べるとテクニックのある選手が増えているので、あのときとはまったく別のチームだと思う」と気を引き締める。

 この日は午前中にイラクのビデオを全員で見た。

「前の選手は皆、能力が高くて、個人でも崩せるし、コンビネーションもいい。そこは誰を、というのではなく基本的には全員を注意したい」

 ただ、自身がプレーしたジーコジャパン時代のサッカーと今のイラクのサッカーを比べると、「日本の方が組織的にしっかりとやっていた。イラクはどちらかというと個人の能力でやっているので、けっこう違っているという印象がある」と言う。

 現在、歴代2位に位置している日本代表キャップ数は6日のUAE戦で120試合となった。井原正巳氏が持つ歴代最多記録である122試合まであと2試合ということで、「ここまでくれば多少は意識している」と、普段は数字にこだわるタイプではないが、今回ばかりは気にしている。

「この試合に勝てば予選で有利になるので、そのために勝ちたいし、内容も楽しんでいきたい」と必勝を期していた。

(取材・文 矢内由美子)

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