beacon

劣悪ピッチ、イランの審判団…吉田「アジアにはアジアの難しさがある」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 どんな悪条件も乗り越え、W杯出場権を勝ち取る。勝てば5大会連続のW杯出場が決まる26日のヨルダン戦。日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)は力強く宣言した。

「3次予選の北朝鮮戦から(W杯予選が)始まって、この試合で自分たちがいいパフォーマンスを出して、締められるようにしたい」。ブラジルへの切符を手土産にイングランドへ戻るつもりだ。

 試合会場のキング・アブドゥラ・インターナショナルスタジアムで行われた公式練習。昨年2月5日に同会場で開催された五輪アジア最終予選・シリア戦でU-23日本代表が1-2で敗れるなど、苦しめられた劣悪なピッチは1年後の現在も“健在”だった。

「想像どおりというか、聞いていたとおり。タジキスタンもこんな感じだった。バウンドが違うので、ロングボールの処理をしっかりするのと、カウンターへのリスクマネジメントをしっかりしたい」

 予期せぬプレー、意外な展開を招く恐れがあるのはピッチコンディションだけではない。ヨルダンサッカー協会によると、試合を裁くのはアリ・ファガニ主審らイラン人の審判団。“中東の笛”にも注意と覚悟が必要だ。

 普段、プレミアリーグのサウサンプトンでプレーしている吉田だが、「サッカーも違えば環境も違うし、レフェリーのジャッジも違う。アジアにはアジアの難しさがあるし、プレミアにはプレミアの難しさがある。アジアも簡単にはいかない」と気を引き締める。

 昨年6月8日に埼玉スタジアムで対戦したときは6-0と大勝しているが、11年1月にカタールで開催されたアジア杯グループリーグ初戦は1-1で引き分けた。当時、後半ロスタイムに劇的な同点弾を決めたのが吉田だった。

「ホームの試合ほど楽にはいかないと思っている。相手のことは把握していても、毎回新しいチームとやるつもりでいる。日本はアジア杯のあとに多くの選手が欧州に行って、いろんな経験をしている。経験値は日本の方が上。それが結果に結び付くようにしたい」

 アジア杯ではショートコーナーから同点ヘッドを決めた吉田だが、「ショートコーナーは研究されていると思う。日本にも高い選手はいるし、普通に上げてもいい」と指摘。「そろそろ点も取りたいですね」と、虎視眈々とW杯出場決定弾も狙っている。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP