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日本vsヨルダン 試合前日の選手コメント

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 26日のW杯アジア最終予選・ヨルダン戦(アンマン)を翌日に控えた25日、日本代表は試合会場のキング・アブドゥラ・インターナショナルスタジアムで公式練習を行った。

以下、練習後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
―ピッチはどう?
「ピッチを見て最初はちょっとびっくりしたけど、練習をやるうちに、下が固いとかデコボコしているところがあるとかは問題ないと思えた。ここまで来たらそれは想定内。ピッチ状態やアウェーの観客の厳しさはあるけど、それはアウェーということで気にしない」
―試合で大事なことは?
「細かいところでセカンドボールや競り合いで負けないことであったり、そういうところで大きく左右される。でも、だからと言ってびびったサッカーをしてはいけない。そこは自分たちの判断でやっていかないといけないし、そこは気持ちと最高の集中力を持って試合に入れるように。そして、良い判断をできるようにしたい」
―攻撃での意識は?
「もっと最初から流動的に、運動量豊富に。自分のプレースタイルでもあるし、チームとしても攻守において戦っていかないといけない。明日は特に裏への意識をチームとして持っていかないといけない。そこからセカンドボールを拾って押し上げをしながら、飛び出していかないと。あとはシュートの意識を持って頑張りたい」
―4年前はウズベキスタンには行ったが、試合ではベンチ外だった。今回は自分が出場を決めるピッチに立てるんだという気持ちがある?
「まだ(W杯は)決まっていない。まずはアウェーでの難しい試合で勝つようにしたいし、もちろん明日はそれが決まる試合だけど、そんなことは考えずに、最高の準備をしていくだけです。本当に難しい試合になるということ。それだけは一人ひとりが頭に入れて準備をしないといけない。僕自身、今日から徐々に明日へ向けて集中して良い準備をしたい」

●FW前田遼一(磐田)
―いよいよヨルダン戦だが?
「楽しみでもあるし、やってやりたい気持ちもある」
―カナダ戦の反省点は?
「止まった状態でロングボールを受けることが多かった。もっと動き出してもらえばよかった」
―ヨルダンの印象は?
「一発があるのは怖い。攻撃はフィジカル重視だとつらくなる。スピーディーなボール回しで攻めることができれば」
―勝てばW杯出場が決まる試合だが?
「今までの試合と変わらない」
―中東の雰囲気は?
「嫌いじゃないし、そういうのもやりがいがある」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「W杯予選を今まで戦ってきて、明日で(W杯出場を)決める強い気持ちでプレーする。今回は準備期間も長かったし、コンディションも気持ちの部分もいい準備ができた。明日はやるだけ」
―緊張感も出てきた?
「ドーハではいい環境の中でいい練習ができて、リラックスもしていた。ヨルダンに入って、違う環境になって、いよいよやるんだなという雰囲気になっている。監督も練習前にそういう声をかけてくれた」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―ピッチの状態は?
「想像どおりというか、聞いていたとおり。タジキスタンもこんな感じだった。バウンドが違うので、ロングボールの処理をしっかりするのと、カウンターへのリスクマネジメントをしっかりしたい」
―明日勝てばW杯出場が決まるが?
「3次予選の北朝鮮戦から(W杯予選が)始まって、この試合で自分たちがいいパフォーマンスを出して、締められるようにしたい」
―オーストラリア対オマーンが引き分けなら引き分けでもW杯出場が決まるが?
「監督次第ですね。まだ何の指示もないし、何もなければ勝つことに集中するだけ」
―五輪やプレミアリーグを経験して変わったことは?
「サッカーも違えば環境も違うし、レフェリーのジャッジも違う。アジアにはアジアの難しさがあるし、プレミアにはプレミアの難しさがある。アジアも簡単にはいかない」
―ヨルダンにはアジア杯では苦戦したが、去年の対戦では圧勝した。
「ホームの試合ほど楽にはいかないと思っている。相手のことは把握していても、毎回新しいチームとやるつもりでいる。日本はアジア杯のあとに多くの選手が欧州に行って、いろんな経験をしている。経験値は日本の方が上。それが結果に結び付くようにしたい」
―日本のセットプレーはチャンスになる?
「そろそろ点も取りたいですね。ショートコーナーは研究されていると思う。日本にも高い選手はいるし、普通に上げてもいい」

●DF今野泰幸(G大阪)
―気候はよさそうだが?
「良すぎて暑い。乾燥している。動いた感じはのどが渇くし、疲れそうだなと」
―芝の状態は?
「芝というより、地面が硬くてボコボコしている。バウンドには細心の注意を払わないとダメ」
―アウェーの難しさもあるが?
「難しくなるのは想定している。僕らのサッカーを完璧にやりたいけど、なかなかうまくいかないと思うし、しぶとくやらないといけない。いい時間帯はつくれると思うし、それまではディフェンスが耐えたり、時間をつくったり、しぶとくやって勝ちたい」
―勝てばW杯出場が決まる試合だが?
「こういう試合に出られるのは限られているし、こういう経験ができるのも限られている。ワクワクしているし、不安もある」
―ドーハ合宿では思わぬアクシデントもあったが?
「ここに来るまでは(ドーハ合宿の)1日目から最高の準備をして、カナダ戦にも出てというのを考えていた。それは狂ってしまったけど、治ったあとはしっかり準備できたし、やることはやったので、明日の自分に期待している」
―ピッチが悪いようだが?
「注意するべきなのはダイレクトプレー。自分の感覚で横パスをダイレクトでと思っても、思わぬところでボールが弾んでしまったりするので、一回止めないといけなくなる。そうすると一つ遅れてしまうことになるかもしれないけど、僕のところで仕掛けのパスはできない。セーフティーにトラップしながら、ということになる。最後の3分の1のところなら仕掛けのパスでいいけど、僕のところでは仕掛けのパスはできない」
―カナダ戦を見てどう思った?
「カナダ戦ではパスを出したあとに動くことが少なかった。相手が来たとして、きついところにパスを出しても、そのあとのサポートがなければいけない。カナダ戦ではなかったので、それではパスをもらったあとに苦しい。DFはまずFWの選手を外すこと。フリーで出せれば裏へも出せるし、足元へも出せる。そこから中盤と相手DFを崩していきたい」
―サイドももっと使いたい?
「運んでいきながら中盤の前の選手にボールが入ったときに、FWやサイドの前の選手が裏に走ること。そうすればチャンスができる。早い段階でできるか分からないけど、90分の中で日本の時間をつくれるという自信はある。そのときに仕掛けたい」
―押し込まれる時間帯も出てくるかもしれない。
「オマーンみたいな感じになるかもしれないですね。相手の右サイドはボールウォッチャーになるというスカウティングもあるし、うまくサイドで数的優位をつくりながらサイドを崩していきたい」

●DF内田篤人(シャルケ)
―この4年間の成長をどう感じている?
「成長は自分ではあまり感じることはない。周りの人が決めてくれればいい。数値が出るわけではないので。ただ、(シャルケで)大きな大会にたくさん出ているし、良い練習もできている。4年前のことは気にしない」
―明日のヨルダン戦の注意点は?
「俺のサイドの9番がポイント。あいつが気持ち良くプレーしたら他の選手も生きる。他にも中盤にいい選手がいる。9番を止めて、押し込まれないようにしたい。でも押し込まれても最後は体を張るようにしたい」
―W杯が決まる試合になるが?
「試合が終わったわけじゃないし。でも今日はカメラがたくさんいたので、注目されているなと感じた」

●DF酒井高徳(シュツットガルト)
「さすがに前日になるとピリッとした空気感がある。徐々に気持ちは入ってきているし、こっちに到着して変わったところもある。自分も含めて、今日の練習に入ってみんなの雰囲気が変わったのは確かにある」
―練習と実戦では感覚が違うと言っていたが?
「練習だと、プレーエリアだったり、タッチ数制限だったりがある。ゲームになるとサッカー的なルール以外は制約がないので、そういったときにワンタッチした方がいいのか、トラップした方がいいのか、もっと早く出した方がいいのかとか。一人ひとりの動きの幅も変わってくるし、ピッチの中でみんながどういう表現をしたいのかというところも、練習と実戦では全然違う。カナダ戦でだれがどういう風に動きたくて、どういう風にもらいたくて、どういうところで待っているのかは、合わなかったからこそ気づけたところだったので、自分の中でそのあたりはオプションになっている」
―ピッチの状態は?
「すごい固かった。ボールがよく跳ねるし、ポイントがあまり刺さらず、そのままズルズル滑る感じがあるので、体重移動で負担がかかる感じがした」
―カナダ戦の前半と後半で攻撃や守備のやり方が変わったが?
「守備は正直、90分間良かった点がなかった。守備が変わったというよりは、攻撃で前のおさまりがよくなったかなと思う。守備は、いい形でボールを取って、自分の前にスペースがあるという形はなかった。ボールを持っていないときに裏に抜ける動きが効果的になっていたので、攻撃の部分で中に、中にという部分が出てくると、相手も目線や体が中に向いてしまうので、外のケアが薄かったかなと思う」
―カナダ戦の前半で感じた部分は?
「自分のところで攻撃が始まると言っていたけど、場面によっては自分で打破しないといけないところはある。動きのない状況でボールを受けていたらうまくいかないけど、ワンツーやスピードに乗ったドリブルがあるときにどれだけできるかで、相手の自分に対するケアも変わってくる」
―4年前に自分がW杯出場権をかけた試合に臨むとイメージしていた?
「全然していなかった。あまり先のことは考えていなかった。とりあえず今をという感じでやってきて、徐々に徐々に積み上げた結果が今になっているのかなと思う。しっかりやってきてよかったと思っている」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「90分間、タフに戦わないといけない。常に予想したことが起こるわけじゃない。(ピッチコンディションの影響で)バウンドもどうなるか分からないし、準備することが大事。予期せぬ状況が出ても、常に同じ気持ちで平常心で臨むことが大事」
―ピッチは弾む?
「弾むというか、バウンドがいろんなところにいく。そういう難しさはある」
―練習前に円陣を組んで監督が話していたが?
「それは監督に聞いてください。明日の試合に向かうにあたって、みんな準備はできている。いい気持ちで臨むだけ」
―4年前、W杯出場を決めたウズベキスタン戦はベンチ外だった。
「自分の中で感傷に浸るつもりはない。4年前は自分の中で代表が違う位置づけだったとか、余計なことは考えず、90分、(ロスタイムを含めた)95分、集中して戦いたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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