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日本vsオーストラリア 試合前日のザッケローニ監督会見要旨

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 日本代表は3日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦に向けて最終調整した。同日午前に帰国したMF本田圭佑(CSKAモスクワ)、FW岡崎慎司、DF酒井高徳(ともにシュツットガルト)も合流。初めて26選手がそろって練習を行った。

以下、練習後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「数日前に親善試合を消化して埼玉に移動してきたが、明日の試合が非常に大切な試合であると自分たちも認識している。この数日でフィジカルコンディション、技術面、戦術面、精神面と、できる限りのいい準備ができた。相手の実力はよく分かっているし、これまでにも2回対戦している。実力のあるチームだと認識しているので、リスペクトを持って相手に迎えたい。約3年間、このチームでやってきた。選手たちに最大の信頼を持って臨みたい。明日の試合で選手がいいパフォーマンスを見せてくれる、いい戦いを見せてくれると確信している。いつもそうだが、私が約束できるのは、明日の試合で自分たちの実力を出すために最善を尽くすということ。明日はディテール、エピソードが試合を分けると思う」

―本田ら3人が合流したが、コンディションは?
「3人の選手については、(冒頭15分間の公開時に)みなさんが見たよりも、ちょっとだけだが、多く見られた。今日のところでの目標は、どれだけ回復させられるかにある。少し疲れが見えるかもしれないが、彼らは非常に若いし、『元気だ』とも言っていたので大丈夫だと思う」

―初めてホームで決められる試合を前に高揚感はあるか? クラブチームでリーグ優勝を決める前とは違う心境か?
「よく似た感情を持っていて、選手の持っている感情は選手に聞いてほしいが、監督としては決勝前夜の気持ちでいる。これまでたくさんのことがあったし、長い戦いだった。目的達成のために準備していかないといけない」

―本田が入ることでチームにもたらす変化は?
「一監督として何を考えるかと言うと、いかにチームがチャンスをつくるか、いかにチームがゴールに向かうか。ヨルダン戦はチャンスはつくれていたが、決定力がなかった。そこに本田が決定力をもたらしてくれるのなら、武器が一つ増えたと言えるのかなと思う」

―今日帰国した3人以外は全員、明日の試合にフル出場できるか? 本田は何分ぐらいプレーできるか?
「ブルガリア戦で時間制限を設けたのには理由が2つあって、より多くの選手を見たかったからと、フィジカルのところで問題を抱えていたり、コンディションが上がっていない選手がいたから。しかし、埼玉に入ってから全員がいい形でトレーニングに臨めている。最終的にはピッチに立ってみないと判断できないことでもあるが、ベンチにも素晴らしい選手がいるので、試合に出ている選手のコンディションをチェックしながら、必要があれば適正な選手を入れていきたい。本田は最近、90分間やっていないが、直近の試合では70分近く出ている。少し疲労は残っているようだが、こないだの出場時間よりは数分多く出られるのではないかと思っている」

―監督に就任して埼玉スタジアムでは負けていないが、このスタジアムは特別か?
「まず言いたいのは、埼玉スタジアムだけでなく、これまで日本でやってきたすべてのスタジアムを気に入っている。確かに重要なゲームはほぼすべて埼玉で行われているが、日本のどこに行っても、たくさんのサポーターが詰めかけてくれて、温かい声援を送ってくれる。ここで結果が出ているからこのスタジアムが好きなのではなく、すべてのスタジアムが同じように好きだ。選手たちが主人公であり、これまで結果が出てきたのも選手がよくやっているからだと思うし、このチームはサポーターの声援に応えようとする特徴を持っているので、たくさんの応援があると、より応えようとするところがある。先日の豊田スタジアムでも、90分間だけでなく、それ以上もサポーターが声援をくれたのはポジティブなことだと思う。明日の試合はサポーターにとっても大切な試合だと思うので、素晴らしい雰囲気がつくり上げられると思っている」

―ブルガリア戦後、選手に最も訴えたことは? オーストラリア戦に勝つために選手に一番求めるものは?
「ブルガリア戦とオーストラリア戦は、試合の位置づけが違う。先の試合は親善試合で、結果が最重要項目ではなかった。あの試合の一番の目的は、選手のコンディションを把握することだった。代表チームとしての活動が空いていたからスムーズにいかないこともあったが、そこからはできる限りチームとしてやりたいこと、チームとしてのプレーをできる限り完璧に出せるまでに持っていこうと話している」

―ブルガリア戦を振り返るミーティングは選手からも活発な意見が出たそうだが?
「私はそのミーティングに呼ばれていないかもしれない。そんなミーティングがあったとは認識していない。私が参加したミーティングでは、ブルガリア戦を冷静に分析し、監督からの意見を選手にインプットした」

(取材・文 西山紘平)

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