beacon

シャルケ退団は「寂しい」けれど…複数クラブ争奪戦のDF板倉滉「そういう話が出るのは嬉しいこと」

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表のDF板倉滉

 日本代表のDF板倉滉が1日、報道陣のオンライン取材に応じ、今季限りで退団が決まったシャルケへの思いを語った。マンチェスター・シティから期限付き移籍中の板倉は公式戦32試合4得点を記録し、シャルケの2部優勝と1部昇格に大きく貢献していたが、クラブは5月31日、買い取りオプションを行使しないと発表していた。

 シャルケの発表ではルーベン・シュレーダーSD(スポーティング・ディレクター)が「ブンデスリーガのチームに残しておきたかったが、残念ながら財政面の理由で不可能だった」と経緯を説明。「金銭的な規模が大きすぎるため、われわれの限界を超えることになった」とし、来季のチームにも必要な戦力と捉えていたが、金銭面でマンチェスター・Cの要求を満たせなかったことを明かしていた。

 板倉はこの日、シャルケ退団が決まったことについて「寂しい」と率直な思いを吐露。その上でクラブへの感謝を述べた。

「1年間いいシーズンを送れて、僕個人としてもシャルケはいいオプションだったし、ブンデスリーガでやりたい気持ちはあった。シャルケ側からもそういう思いを感じ取れたし、『なんとかするから』と言ってくれていた。ただシャルケも悪くないし、僕もどうすることもできない。でもまずは感謝したい。あれだけのビッグクラブでやるチャンスをもらえたことを感謝しているし、しっかり1部昇格して出られるのは寂しいけど、ホッとしている。満足しているわけではないけど、最低限の目標だったのでそれを達成できたのはうれしい。…それでも寂しいですね」

 2019年1月、川崎Fからマンチェスター・Cに移籍した板倉は2年半にわたってフローニンゲンに所属。欧州での4年目をシャルケで迎えたが、ドイツを代表するビッグクラブでの経験は大きな糧になったようだ。

「あれだけの6万人以上のサポーターが入るスタジアムでプレーできた。そしてシャルケは昇格しないといけないというプレッシャーは少なからずあった。昇格が決まったザンクトパウリ戦のあとにはめちゃめちゃ気が抜けた。そこでやっと始めて(プレッシャーがあったことに)気づいた。そこで1シーズン通して試合に出られたことが成長につながっているし、それがいい経験になった。それをこれからに活かされてくると思う」

 そうした活躍が評価され、板倉にはフランクフルトやマインツ、ホッフェンハイムなどブンデスリーガのクラブに加えて、プレミアリーグ昇格を果たしたフルハム、ボーンマスからの関心も集まっていると報じられており、争奪戦の様相だ。

 板倉はそうした報道について「僕自身もニュースで見るのが先だったりする」と苦笑いを浮かべながらも、「そういう話が出るのは嬉しいことだし、個人としては自分を欲しがっているチーム、必要としてくれるチームに行きたい」と前向きに受け止めている様子。その上で「まだ決まっていないし、僕自身もどこになるか分かっていないけど、行ったところで自分を出して試合に出ることができれば」と意気込みを語った。

 そして来季の前には「絶対に出たい思いは強い」というカタールW杯に向けてのサバイバルが控えている。

 6月の日本代表4試合はアピールに向けた絶好機。日本は2日のパラグアイ戦(札幌ド)を皮切りに6日のブラジル戦(国立)、10日のガーナ戦(ノエスタ)を行い、14日にはパナスタでチリまたはチュニジアと対戦する。「僕ら世代、東京世代が試合にもっともっと出て活躍することによって日本サッカーも強くなると思う。そういう自覚も生まれた1年だった」。そう力を込めた板倉は「この4連戦は僕にとってもチームにとっても大事になる」と闘志を燃やしていた。

(取材・文 竹内達也)
★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送

TOP