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20歳で堂々A代表デビューもMF藤田譲瑠チマ「なかなか納得いくプレーができなくて…」

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MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)

 EAFF E-1選手権・香港戦(○6-0)で堂々の日本代表デビューを果たしたMF藤田譲瑠チマ(横浜FM)。前線の顔ぶれが変わる中で90分間通してピッチに立ち続け、20歳とは思えない落ち着きを見せていたが、そのパフォーマンスには満足がいっていなかったようだ。

 試合から一夜明けた20日朝、報道陣のオンライン取材に応じた藤田は「なかなか自分の中では納得いくプレーができなくて、結果は6-0だったけど個人的にもっとやらないといけないことがたくさんあると感じられた試合だった」と厳しい表情。「球際のところ、セカンドボールを拾った後やボールを奪った後のファーストプレーで相手に奪われたり、ラインを割るところがあったところを直していかないと攻撃の時間がどんどん減ってしまう。攻撃ではもっと簡単に前につけられるシーンがあったし、もっと自分のところでテンポを出していれば、相手をもっと困らせるシーンは増やせたと思う」と課題を次々に口にした。

 香港戦に向けた準備期間はわずか2日間。連係不足が藤田のプレーに影響していた側面も大いにあったはずだ。それでも「全員が揃ったのは前日練習が初めてだったので、そういった中でのサッカー観が合わないところはあったけど、球際やセカンドボールを拾った後のプレーは自分の意識一つで変えられる。個人としての課題だと思う」ときっぱり。連係不足を言い訳にはせず、とにかく自らに矢印を向けていた。

 ピッチの外から見ている限りでは、リスク管理の姿勢も目立った前半に対し、後半は横浜FMで見せているような幅広いエリアでのボール関与が増加。準備期間がそう多くない代表チームでとりわけ求められる“ピッチ内での修正”にも適性があることを示したようにも思われた。だが、そこでも「自分自身も少し反省しているところ」と課題に向き合っている様子。「自分の攻めている時の立ち位置が低いと思っていたのがあって、そのせいで右からも左からもクロスが多かった。自分のところで10m、20m前にいればセカンドボールを拾えるシーンがあった。後半はそこで意識して前のポジションを取ったり、(ボランチの岩田)智輝くんとのバランスを見ていこうとハーフタイムに話していた」とより早く修正を施せていたと捉えているようだった。

 そうした姿勢は“初招集”や“デビュー戦”といった立場とは無縁のもの。「年齢が上の人にも気負うことなくやるのは自分のいいところでもあると思うし、マリノスと日本代表に緊張感もそんなに変わらなかった」。A代表経由でパリ五輪へ——。揺るぎないスローガンを掲げるパリ五輪世代の主将候補が頼もしい第一歩を踏み出した。

(取材・文 竹内達也)
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