W杯に間に合わせた。日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)は9月10日のシャルケ戦で右膝内側靭帯断裂の重傷を負い、所属チームでも公式戦復帰を果たせぬまま日本代表に合流した。

　所属クラブでもすでに全体練習には合流しており、あとは実戦復帰を待つのみという状況だったが、W杯前最後の実戦となる17日の国際親善試合・カナダ戦(ドバイ)で森保一監督は浅野の先発起用を明言。約2か月ぶりの復帰が確実となった。

「久しぶりの試合なので、自分がやってきた準備のすべてを明日の試合に出すことが大事。それ以外のことは考えていない」。森保監督からは「大丈夫か?」と冗談交じりに聞かれたそうで、浅野は「90分行けます」と即答したという。

「もしかしたら15分、20分でバテてしまうかもしれないけど、バテてもいいからその15分、20分を全力でやりたい」。森保ジャパンではこれまで1トップや左サイドでプレーしてきた浅野。1トップにはFW前田大然やFW上田綺世、FW町野修斗といったライバルがいる中で、W杯前最後の強化試合で結果を残せば、本大会でのスタメン起用も現実味を帯びてくる。

「この機会をいい方向に持っていけるかは自分次第。チャンスがめぐってきたのでやるだけだし、結果を残すことが自分を使ってくれた監督への恩返しになる」。4年前のロシアW杯は最後の最後で落選し、バックアップメンバーとして初戦が終わるまで帯同する悔しさを味わった。自身初のW杯へ。28歳の快足ストライカーは爆発の時を待っている。

(取材・文　西山紘平)

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