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続発する“100分ゲーム”にGK権田修一「難しいと捉えるか、そういうものだと捉えるか」

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日本代表GK権田修一

 日本代表のGK権田修一(清水)がカタールW杯グループリーグ初戦ドイツ戦を翌日に控えた22日、報道陣の取材に応じ、「W杯が始まって試合をずっと見ているけど、この場に自分自身がいられることがすごく嬉しい。明日ついに始まるなという感覚がある」と意気込みを語った。

 権田にとっては2014年のブラジル大会に続いてのW杯。2大会ぶりのメンバー入りは日本代表史上初の快挙となった。また前回出場時はベンチに座ったまま大会を終えたが、今回はアジア予選で日本史上最長となる9試合連続の無失点記録を樹立するなど、ピッチ上のパフォーマンスが評価されてのメンバー入り。正GKという立ち位置で本大会を迎えることとなった。

「8年前と違うのは予選で試合に出続けてここに来たか、全く出ずに来たか。ブラジルの時もそうだけど、今回も自分の中でできる準備は本当にやってきた自負はある。ここからはチャレンジするだけだと思う」

 そうした万全な準備の跡は、この日の言葉の端々からも感じられた。その一つはアジア勢の戦いぶりへの分析。取材対応はサウジアラビアがアルゼンチンを2-1で破った数時間後に行われたが、権田は「サウジアラビアの試合を見ていても、やっぱりあの勇気。他の国と比べるわけじゃないけど、カタールは少し引き気味にやろうとしていて、サウジアラビアはあれだけラインを高く取ってチャレンジしていた。結果も実際に出たし、僕らにとってもヒントになるのかなと感じた」と熱弁した。

 また今大会ではアディショナルタイムの正確化が進められており、取材対応時点での1試合平均時間は16.2分間。目立ったアクシデントがなくても5分以上のアディショナルタイムが設けられることが当たり前となっている中、権田は「それが今大会の傾向だと思う」としつつ心構えを語った。

「難しいと捉えるか、そういうものだと捉えるか。今大会がそういうやり方になっている以上、僕らも50分間試合があるというならそこを目指してやればいいわけで、そう思っておけば『あと5分もあるのか』とは思わないのかなと」。ここで権田はさらに「この次のポーランド対メキシコが3分で終わるかもしれないし、どういうふうになるかはわからないけど……」とも付け加えており、サラリと対戦カードが出てくるのもさすがだった。

 そうして迎える夢の大舞台。今季は所属先の清水エスパルスがJ2降格の憂き目に遭ったこともあり、合宿当初はショックが抜け切れなかったという権田だが、12日間の活動を通じて、試合に向けた心の準備を積み重ねてきたようだ。

「僕の場合は今シーズン、所属クラブでいいシーズンではなかったし、結果も出たシーズンではなかったので、まずはリセットする期間だなという感覚を持っていた。いろんなチーム事情を持って、今大会に臨んでいる選手が全チームにいる中、僕は結果が出なかったところがあるにせよ、切り替えないといけないというのを一番最初だなと思って準備していた」

「人間なので悔しいことからすぐに切り替えられるものではない。ドーハに来てから1日、2日はまだそこまで抜け切れなかったけど、選手がどんどん集まってきて、髪の毛が赤くなる選手とか(笑)、いろんな選手が大会が始まるんだよという雰囲気になってくるにつれて、僕自身も前を向ける状況になってきた」

 その結果、いまでは「最終予選も所属クラブと代表で切り替えられれば自信を持って臨める感覚になっていたし、いまこの時点で自信を持って臨めるなという感覚に戻ってきた」と言い切った権田。さまざまな準備によって積み重ねてきた自信を胸に、日本のゴールマウスに立つつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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