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3バックに交代策さえて“死の組”首位突破も森保監督「特に大胆な采配ではない」

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森保一監督

 史上初となる2大会連続の決勝トーナメント進出を決めたスペイン戦(○2-1)から一夜明けた2日、日本代表は終日オフを取った。森保一監督が練習拠点で報道陣の取材に対応し、“死の組”と称されたE組を首位で突破したグループリーグの戦いを振り返った。

 ドイツとスペイン相手に劇的な逆転勝利を挙げ、2勝1敗でのグループリーグ突破を果たした日本代表。我慢の時間帯は4-2-3-1、追い上げの時間帯は3-4-2-1という布陣の併用に加えて、2ゴールを挙げたMF堂安律(フライブルク)をはじめ交代選手の活躍が目立っており、本大会で冴える“森保采配”に大きな注目が集まっている。

 それでも当の指揮官は「大胆な采配でもない」と控えめに語った。

「目の前の試合を勝っていくにあたって対戦相手が変わる中、普段から選手のコンディションや疲労度を見た上で、どういうメンバー編成をしたらいいのか、どういうゲームプランを立てたらいいのかを考えている。選手たちが素晴らしい能力を見せてくれている中、どう使ったらいいのかということを一番近くで見させてもらって、試合に向けて決めたり、試合中に交代策を考えているだけ。特に大胆な采配だとは私自身もスタッフも思っていない」

 その采配の裏には選手たちの取り組み方があるという。

「このチームのいいところは全員の選手が自分はレギュラーだと思ってくれていること。出場時間の違いはあるが、試合においても先発で出る選手、ベンチから途中交代で試合に出る選手も含め、レギュラーとサブ組という考え方は選手たちは持っていない。私自身も持っていない。構想の中で、ポジションであったりの序列はつけなければいけないが、全体的には全員レギュラーだと思っている」

 そう語った指揮官は「野球で言えば先発、中継ぎ、ストッパーと役割の違いがある中で、選手個々が機能しているという話かなと思っている」と指摘。またコロナ禍以降は交代枠が3人から5人に増えていることもあり、「交代枠が5人になったことで試合の組み立て自体が変わっている」とし、「前半の選手がいい形でつないでくれて、途中交代の選手がまたいい仕事をして、チームとして機能するという流れを作ってくれた。そこは交代枠5人の中で何ができるかという現代の形かなと思う」とルール変更が自身の采配の助けになっているという見解を示した。

 決勝トーナメントに臨むにあたっても、采配によるゲームコントロールは継続したいところだ。

 5日の決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦に向けて「4バックにするか、3バックにするかちょうど考えていたところ」と含み笑いを見せた森保監督は「対戦相手を考えて、(システムの)噛み合わせの中でどうやって相手を上回っていくか、相手の良さを消しながらどう自分たちの良さを出していくかも考えていきたいが、これまでの流れもある。目の前の対戦だけでなく、これまでの流れも踏まえて決めていきたい」と考え方を明かした。

 またその上で「こうした選択肢を持てることは簡単なようで簡単ではない。いい選手がいて、柔軟に、日本のために、勝つために対応してくれていることが監督としてありがたい」と采配に応えている選手たちを称賛。「素晴らしい選手たちと試合に臨めることが幸せ。われわれが勝っていくため、理想と現実を考えた時には、いろんなことに対応できることで勝つ確率を高めていける。いいトライができれば」と意気込みを述べた。

(取材・文 竹内達也)

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