beacon

U-20日本代表の“アタッキングSB”屋敷優成、本職でない男が3戦連続で先発起用された理由

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF屋敷優成

 サッカーにおける監督の哲学はサイドバックの起用法に出がちである。そして、U-20日本代表の右サイドバックは3試合続けて同じ選手だった。DF屋敷優成(大分トリニータ)である。

「DF」と書いたが、「自分は元々攻撃の選手なので」と本人が言うように、大分での屋敷はサイドハーフやウイングバックであり、今季はシャドーで起用されるなど「攻撃」を評価されている選手である。本人も率直に「守備は得意というわけじゃない」と言う、攻撃が特長の選手を右SBに置いている理由は明確だった。

 この予選では「自分のところにわざと背の大きい選手をぶつけてこられたりもした」(屋敷)と、攻撃の得意な屋敷を守備に追いやるための術策を対戦相手がしばしば練ってきた。逆サイドからのロングクロスで狙われることも珍しくない。「体の使い方とか予測とスピードでカバーしたい」と対抗してきたが、この点についても冨樫剛一監督はその奮戦ぶりを称えつつ、こうも言う。

「屋敷の苦手な部分ではなく、得意なものをどんどん出していってもらいたいと思っている」

 やはり期待されているのは第一に攻撃参加。スピードを活かしたドリブルとアシスト面での貢献というわけだ。3試合すべてで稼働して奮戦してきたグループステージについて屋敷自身、まさにこの点で満足していない。

「やっぱり、もっと得点に絡まないといけないと思っている」

 そして、その足りなかった部分を決戦となる準々決勝で爆発させる構えでもある。

「みんなで準々決勝まで繋いできたので絶対に負けられないという気持ちがある。たぶん疲れてはいるんですけど、気持ちがあるから関係ない」(屋敷)

 日本の右翼を担うアタッキングサイドバックは、「まず守備からですけど、その上で絶対にアシストして勝利に貢献したい」と闘志を燃やしている。

(取材・文 川端暁彦)
●AFC U20アジアカップウズベキスタン2023特集

TOP