beacon

不遇に終わったカタールW杯前…旗手怜央がA代表での再出発へ「日頃やっていることを出せれば」

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF旗手怜央(セルティック)

 カタールW杯までの日本代表では厳しい立場に置かれ続けてきたMF旗手怜央(セルティック)が、昨年9月のドイツ遠征以来となる復帰を果たした。合宿初日の12日、報道陣の取材に応じた旗手は「前回悔しい思いをしているので、また選ばれたことはすごく嬉しいし、頑張ろうと思う」と再起を誓った。

 東京五輪でU-24日本代表の一員を担った旗手だが、A代表でのこれまでの道のりは簡単なものではなかった。

 2021年11月のW杯最終予選で初招集を迎えたが、2試合ともベンチ外でアウェー連戦が終了。年が明けた昨年1月は招集外に終わった。次の3月シリーズではW杯出場権獲得後のベトナム戦に先発デビューを果たすも、前半45分限りで交代。続く昨年6月の活動にも呼ばれなかった。昨年9月のドイツ遠征でW杯前最後のチャンスを掴んだが、2試合ともに出番なし。W杯メンバー発表でも名前が呼ばれることはなかった。

 不遇の先に迎えた9か月ぶりの代表招集。「常にここに選ばれたいという気持ちでやっているので、それに昔も今も変わりはない」と日本代表への思いを述べた旗手は「自分が日頃自チームでやっていることを認めてもらい、良いと評価してもらって呼んでもらっていると思うので、このピッチでも日頃やっていることを出せれば」と冷静に意気込みを語った。

 日本代表での不遇とは対照的に、セルティックでは今季32試合6ゴール9アシストを記録。「向こうに行って、今季に関しては数字を求めていたので明らかに昨年より出ていると思うし、ペナルティエリア付近でのプレーや、守備でも自分にタスクを与えてやっていたので、まだまだだけど良くなっているのかなと思う。そういうところを評価してもらって選んでもらえたのかなと思う」と確かな成長を実感している。

 また欧州CLでの経験も大きなモチベーションになっているという。この日の取材対応でも「日頃できないチームとやれる素晴らしい機会。できないことのほうが多いなと改めて感じた。だからこそあの舞台にもう一度戻りたい思いが強くなった。ああいう舞台で常に戦っている選手になりたい」と力強く語っていた。

 所属チームでの活躍と同様、代表チームでも存在感を放つことができるか。今回のシリーズはそうした再出発の第一歩となる。

 自身は3月シリーズの映像もチェックし、「新しいものにチャレンジしているのは誰が見てもわかると思う。みんなが体現しようとしていたのもわかった」と感じた旗手。長らく訪れなかったA代表2試合目に向けて「使ってもらえるのであれば自分の中で状況を理解して僕のプレーを落とし込めれば。与えられたことをしっかりできればと思う」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)

TOP