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東京五輪の悔しさを知るGK鈴木彩艶はただ1人の3試合先発「突破したことが大きい」

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GK鈴木彩艶

[9.12 U23アジア杯予選GL第3戦 日本0-0バーレーン マナーマ]

 メダルまであと一歩のところで力尽きた東京五輪の悔しさを知る者として、絶対に打ち破らねばならないアジアの壁。試合終了の笛を聞いた瞬間、GK鈴木彩艶(シントトロイデン)の表情に安堵が広がった。U-22日本代表は0-0でグループ1位突破を決めた。

「大岩監督も言っていましたが、結果がどうあれ、僕たちが目指しているパリ五輪というところに対しては、突破したということが大きい。次にある、本当の戦いに繋げられた」。そう言って胸を張った。

 引き分け以上でパリ五輪アジア最終予選進出という条件だったが、勝って決めたいという気持ちが強かった。日本は前半からチャンスをつくったもののゴールが決まらず、時間が進むにつれて焦る様子が散見される嫌な展開。86分以降に自陣でのファウルがかさみ、何度もピンチにさらされた。

「後半は特にファウルが多かった。勝ちたいという気持ちがあったと思うし、時間が進む中でもどかしさもあったと思う。試合終了間際のゴール前は何が起こるか分からないので、そこはチームで徹底しなければならない」

 彩艶自身も自戒を込めて言うが、ピッチ全体に落ち着きがなくなっていた時間帯に見せていた彩艶の冷静さは、文字通りの“最後の砦”となっていた。

 今回はただ1人、3試合とも先発を任された。終わってみれば薄氷を踏みながらの一次予選突破となったが、だからこそ学べた部分もあった。

「勝って当然と思われるかもしれないけど、アジアならではの戦いがある。それをここで経験できたのは良かった。勝った(突破した)中でも悔しいものがあるので、次に活かされればいい」

 守護神はこの先に続いているパリ五輪への道を見つめた。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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