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緊急出場GKシュミットが好セーブ連発! 今季は所属先でも“日本人GK争い”に「1年後に報われるように頑張りたい」

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日本代表GKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)

[9.12 キリンチャレンジ杯 日本 4-2 トルコ ゲンク]

 前半終了間際という珍しいタイミングでの緊急出場だったが、しっかりと役割を全うしてみせた。

 日本代表GKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)はキリンチャレンジ杯トルコ戦で、前半アディショナルタイム3分から右肩を痛めたGK中村航輔に代わって途中出場。直後に訪れたハイボールを難なく処理すると、後半の劣勢になった時間帯でも安定したセービングを続け、4-2での勝利に貢献した。

 特に際立ったのは3-2で迎えた後半25分すぎの連続セーブ。中盤の足が止まったことで、斜めのパスから崩されるシーンが立て続けに見られたが、シュミットが的確なセービングでピンチを防いだことにより、MF伊東純也の独走カウンターからのPK弾につながっていた。

 それでもシュミットは「あのPKは純也が凄すぎたので、流れとかどうとかではないと思う」とサラリと振り返り、「2失点目は不用意というか、全体的に軽くなった時間帯だったと思うのであれはもったいなかった」と失点シーンにフォーカス。自身の好セーブについても「難しいセーブではなかったので、止めて当たり前」と冷静に語った。

 また試合を通じてのパフォーマンスも「いいプレーをしないといけないところだったので反省は多い」と指摘。特にビルドアップ面で「もうちょっと自分のところで時間を作って、敵を引き寄せてからいいプレーを選択する部分はやりたかった。簡単にはたきすぎて味方を苦しめたシーンがあった」といい、「よく映像を見て映像を見て振り返る必要がある」と改善を誓った。

 シュミットにとっては3月シリーズのコロンビア戦(●1-2)以来の出場。6月と9月は中村とGK大迫敬介が立て続けに出番を得ており、難しい時期が続いている。

 だが、6月から連勝の続くチームについては「すごくよくできている」と称賛。「守備の部分ですごく良いというか、本気で守ろうという時にちゃんと守れているなと2試合を通して感じた。攻撃もだけど、守備の部分も実は評価して良いんじゃないかなと思う」と欧州遠征での守備の完成度にも太鼓判を押した。

 またシュミットにとってより厳しいのは、A代表でのレギュラー争いではなく、所属クラブでの立ち位置だ。今夏、シントトロイデンは浦和からGK鈴木彩艶を獲得。シュミットはステップアップの移籍先を模索していたが、今回の移籍ウインドー期間では話がまとまらなかったようで、日本人同士の正GK争いに巻き込まれる形となった。

 すでに今季の構想は固まっていたためか、リーグ戦の直近2試合では鈴木が起用。欠場が続くシュミットは「チームに戻ってみないとわからないけど、戻っても試合に出してもらえるかわからない状況」と厳しい見通しを述べつつも、「そういう中でも腐らずにちゃんとやっていれば見ている人は見ていると思う。1年後に報われるように頑張りたい」と意欲。「自分を信じてやり続けるしかない。本当にそれしかないと思う。どんな状況になっても自分に勝てるように頑張ります」と変わらぬ奮闘を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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