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想定超えた“猛暑”とパリ五輪行き消滅の“重圧”乗り越えたU-22日本代表…大岩監督は選手ねぎらう「全員を評価したい」

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選手たちをねぎらう大岩剛監督

 U-22日本代表はパリオリンピック出場に一歩前進した。パリ五輪アジア一次予選を兼ねるU23アジアカップ予選グループリーグを2勝1分で終えて首位確定。来年4月にカタールで行われるU23アジア杯出場を決めた。大岩剛監督は「非常に苦しい戦いで自分たちの思い通りにはいかなかった」と振り返りながら「まずここを突破するということが大事。最低限のタスクを果たすことができてよかった」と語った。

 U23アジア杯予選は11組のグループリーグのうち各組首位が本大会行きを掴む一方、2位になった場合は各組2位のうち成績上位4チームのみが本大会出場という他グループの結果に大きく左右される条件だった。U-22日本代表は初戦・パキスタンに6-0、第2戦・パレスチナに1-0と連勝。しかしグループの順位決定が得失点差ではなく、同勝ち点の場合は当該チーム同士の対戦成績のため、日本は第3戦・バーレーン戦で敗れた場合、2位または3位になる可能性も残っていた。

 最悪のケースではパリ五輪行きが消滅するかもしれないというプレッシャーの中、U-22日本代表の選手たちは猛暑でのアジアとの戦いを2勝1分のグループ首位で乗り切った。指揮官は「選手たちはこの環境の中で3試合戦った。全員をしっかりと評価したい」と力を込める。

 初戦、第2戦は午後9時半キックオフにもかかわらず気温35度、湿度80%を記録するなど厳しい環境だった。「これだけ疲弊するということは想定を超えてしまっていた」(大岩監督)。第3戦は引き分け以上で首位確定という条件だったが、試合運びに苦しんだ。大岩監督は「この苦しい戦いを乗り切ったということの自信と難しさを両方踏まえた上で、もっとレベルアップしようと話をした」とミーティングでの内容を明かす。猛暑と重圧を乗り越えた選手たちに「よくやってくれたと評価しています」と改めてねぎらった。

 今大会はパリ五輪のアジア一次予選も兼ねている。来年4月に16チームで行われるU23アジア杯がパリ五輪のアジア最終予選となり、上位3チームに入ればパリ五輪出場が決定する。4位の場合でもアフリカとのプレーオフを制することができればパリ五輪行きを決めることができる。

 (取材・文 石川祐介)

●AFC U23アジアカップ2024予選特集ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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