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長距離移動経て初戦ベンチ外も「ポジティブに捉えるべき」と冨安健洋、全体フル合流&居残り練習でシリア戦に照準

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入念な居残り練習に取り組むDF冨安健洋(アーセナル)

 16日の北中米ワールドカップアジア2次予選ミャンマー戦(○5-0)でベンチ外登録だった日本代表DF冨安健洋(アーセナル)が18日、サウジアラビア・ジッダでの初練習にフルメニュー合流した。終了後、報道陣の取材に応じた冨安は「練習は全部できているので問題ない」ときっぱり。21日のシリア戦の出場に前向きな見通しが立った。

 冨安は今季、所属先のアーセナルで徐々に出場時間を伸ばし、前回の日本代表10月シリーズ明けは公式戦全試合に出場。欧州トップレベルの舞台で存在感を高めてきている。その一方、連戦による蓄積疲労は重く、今月8日の欧州CLセビージャ戦後には筋肉に違和感を覚えていたことが伝えられ、今回の日本代表活動も別メニューで調整してきた。

 その結果、W杯2次予選初戦のミャンマー戦はベンチ外。欧州から日本への長距離移動を経て合流したが、ピッチに立つことのできないまま、21日のシリア戦に備えてサウジアラビアに移動する形となった。

 ところが冨安自身は、もし試合に出場できない可能性があっても、チームに合流することの価値を見出していたという。

「ミーティングには入っているし、やっぱりW杯に向けてのスタートのタイミングでもあったので、それをポジティブに捉えるべきだと思う」。日本代表は冨安がカタールW杯以来の復帰を果たした9月シリーズ以降、ハイラインでコンパクトな守備組織の構築によってさらなるレベルアップが見られている中、ピッチ外でも貢献していく姿勢が目立つ。

 またその一方、試合出場に向けた準備も着実に進んでいる。この日はやや強度を上げた5対5のミニゲームにもフル参加しており、上々なコンディションをアピール。また居残り練習では齊藤俊秀コーチと入念に個人メニューをこなしていた。

 個人メニューは的確なヘディングパスで味方にボールをつないだり、足裏でボールを扱いながら縦や斜めにパスを入れたりと、シンプルながらも実践的。相手役を立たせるわけではないが、あたかも相手がいるかのように身体のフェイクを入れることも欠かさず、日々のトレーニングから高い意識で取り組んでいることをうかがわせる内容となっている。

 対戦相手のシリア対策はこれから分析を進めていく構えだが、「試合が始まってみないとどう相手が振る舞ってくるは分からない。分析して予想は立てられるが、また違う戦い方でやってくる可能性もある」と話す冨安は「自分たち自身が何ができるのかというところは練習や試合が始まるまでのところでできる。いまできることをやるだけかなと思う」と断言。まさのその言葉どおりの準備を進め、北中米W杯への戦いを始める構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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