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空港から直接前日練習へ。U-17日本代表は「相手以上の熱い気持ちを持って」難敵・スペインを乗り越える

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DF本多康太郎(湘南U-18)はスペインを封じで“バルサ入り”を狙う?

 19日、練習会場に到着した森山佳郎監督は、開口一番「思った以上で、本当に大変でした」と苦笑いを浮かべた。

 それもそのはず、17日にU-17ワールドカップのグループステージ最終節を戦ったU-17日本代表は翌日にジャカルタまでバスで3時間ほどかけて移動して、そこで一泊。翌日昼に飛行機でスラカルタへと向かい、空港から直接練習場へ乗り付けた。この移動により、かなりの負荷がかかったのは否めない。

 ただ、森山監督は「昨日、しゃぶしゃぶをジャカルタのホテルで食べられたので元気になったんじゃないかと思います」と笑いつつ、「それでも後半に相手がバテているような試合にしたい」と、翌日のU-17スペイン代表戦への展望を語りつつ、この欧州の伝統国についてはこう語る。

「ボールが本当に動いていて、走行距離が一番少ない。非常にスペインらしいチーム。(GKを除いた)中央が全部バルサで、脇をレアル・マドリーとか他のチームの選手が固めている。セネガルみたいな一発の怖さはないけれど、じわじわと真綿で首を絞められる」(森山監督)

 紛れもない難敵だが、チームに後ろ向きな空気感はない。前日のミーティングでは、DF本多康太郎(湘南U-18)が「僕も9番(ギウ)を抑えたら、バルサに入れますかね?」と言ってきたそうで、「選手にとっては夢があって良いですね。俺も40年若ければ……」と冗談をトッピングしつつ、試合の中で「しっかり判断しながら行くときは行く」と、ギアチェンジして勝ち切るイメージをのぞかせた。

「全部(プレスに)行ったらこっちの足が先に止まると思うので、自分たちの体力と相手の質や強度を測りながら」勝負のタイミングをうかがうことになる。

 日本にとってラウンド16は大きな壁となっている関門だが、ここでスペインと真剣勝負でぶつかり合えるのは、最高のシチュエーション。「相手以上の熱い気持ちを持って」(森山監督)全力を出し切るのみだ。

(取材・文 川端暁彦)


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川端暁彦
Text by 川端暁彦

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