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日本代表北中米W杯アジア2次予選メンバー発表、 森保一監督会見要旨

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 日本サッカー協会(JFA)は14日、東京都内で記者会見を行い、3月の北中米ワールドカップアジア2次予選2試合に臨む日本代表メンバー26人を発表した。森保一監督と山本昌邦ナショナルチームダイレクターが登壇した。

●森保一監督
「北中米W杯に向けてのアジア2次予選を戦うということですでに2試合消化しているが、北朝鮮との対戦では2次予選突破に向けて、その先のアジア予選突破という大きな目標に向けてチームとして経験値を上げ、レベルアップしていけるように戦っていきたい。何よりも一戦必勝で、目の前の試合に最善の準備をし、ホームの国立競技場で結果を出せるように戦いたい。応援してくださっているサポーターの皆さん、国民の皆さんに喜んでいただけるように全力で戦い、勝利をお届けできればと思う」

—長友佑都がカタールW杯以来の復帰。ピッチ内だけでなくピッチ外も含めた期待をしていると思うが、どういった理由で選出したのか。
「長友佑都にはピッチ内外で存在感を発揮してもらえればと思っている。しかしながら、まずはプレーヤーとして彼を選んだということを皆さんにお伝えできればと思う。これまでの活動を振り返った中、いろんな成果と課題を踏まえて招集することになった。Jリーグを視察させていただいて、選手としての評価で主観的にもチームの中で存在感を発揮し、良いプレーをできているし、客観的データとしても高強度のプレーを日本人選手の中でトップのグループとして発揮できているということを示してくれている。我々が戦う上での1対1で勝っていく、いい守備からいい攻撃に繋げていくことを彼はFC東京でも示してくれているし、代表チームでもまた改めて彼の力を出して戦えればと思っている」

—アウェーの試合は平壌で開催されることに決まった。普段と違う環境になるが、どのように臨みたいか。
「おそらく想定外のことはたくさんあると思うし、準備と覚悟を持って平壌での戦いに臨まないといけない。ただこれまでの戦いの中でも、我々が最善の準備をするということには変わりない。戦いのつどいろんなアクシデントがあったり、想定外のことが起きたりした中で、ベストを尽くす、最大限の力を発揮する、そこで結果を出すことを考えてやってきた。いろんな意味で厳しい戦いになるが、最善の準備をして、最大限の力を発揮していく意味ではどんな状況でも変わらない。自分たちのやれることに目を向け、落ち着いて戦いに臨めればと思う」

—アジア杯は不本意な成績だったと思うが、どのように立て直して試合に臨みたいか。また平壌でのアウェーゲームでは1勝もできておらず、1点も取ったことがない。今回で改善したい点はどこか。
「アジア杯での成績においては非常に残念で、応援してくださっている方々に良い結果をお届けできなかったのは非常に申し訳ない。私自身つらく悲しい気持ちでいる。アジア杯からの修正点という部分ではアジア杯だけでなく、過去に起きたことの成果と課題を振り返ってしっかり改善し、成果では過去できたことを未来に向かってさらによくできるようにと考えてやっていく。未来に向かっていく上では過去と同じ気持ちでいる。攻撃も守備も個々の戦いも全てにおいてレベルアップしたい。課題としてアジア杯ではセットプレーからの失点が多かったので、そこは改善できるようにということと、セットプレーとは違うオープンプレーの流れでもロングボールの対応から非常に難しい形になってしまったので、セットプレーにしてもオープンプレーにしてもシンプルにゴール前にボールを入れてきた時にどうやって守備の対処をするかが大事、そこからどうやって攻撃に繋げていくかはもう一度、チームとして改善し、過去の課題を克服していければと思っている。次の試合も相手が同戦ってくるかは構えて戦ってくるところも含めて両方できるチームなので、課題を克服しつつ、相手がどんな戦いを仕掛けてきても対応できるように準備したい。アジア杯は自分たちが想定していないことへの対処が臨機応変さでうまくいかなかったので、基本的な想定はしつつ、想定外のことがあった時にピッチ内でチームで解決していくということは北朝鮮戦に向けてやっていきたい」

—アジア杯では海外の選手の日常に合わせる際、どれだけ強い言葉を使うかが大事と話していたが、いまその考えは変わっているか。
「今の答えで言うと、強い言葉を使うかどうかは考えが変わった。ただし強い言葉を使わないといけない時は使う、でも私自身は監督として必要なことを選手に伝えるということと、自分のキャラクターを変えて無理して伝えても選手に伝わらないと思うので、自然体で、自然と湧き出てくる感情のもとで選手たちに伝えることが大切だと思っている」

—アジアカップに呼んでいなかった小川航基、橋岡大樹、相馬勇紀が新たに呼ばれたが、どのようなことを期待するか。また伊東純也が招集されていないことに世の中の関心が高いと思うが、どういった理由か。
「一人一人というよりもまずは久しぶりの招集になった選手たちについてだが、チームの活動を見て、選手たちが見せてくれているパフォーマンス、そして結果をもとに招集させていただいた。相馬勇紀に関しては出場時間は少なくなっているが、チームで今回の2試合を戦う上で彼が持っているユーティリティー性は代表のレベルの力を持っている選手の中でも必要だと招集させてもらった。直近の試合では得点も取っているし、彼の個々の局面でのバトルを制しながら、デュエルを勝っていきながら攻撃に繋げるところ、W杯のコスタリカ戦で相手との戦いの中で国と国との厳しさを知っている選手。北朝鮮戦も非常に厳しい戦いになる中、個々の戦い、チームの戦いの中で必要な選手だと招集した。小川航基はまさに点を取っているという結果で彼を招集することになった。点を取るだけでなく、チームとして守備でもハードワークしながら点を取ること、個々の役割の中で結果を出す部分、チームとして組織的に戦う部分でも非常に良いパフォーマンスを見せてくれている。橋岡は世界最高峰のリーグと言っても過言ではないプレミアリーグでしっかりとチームの中で評価され、プレーする時間を与えてもらっている。その中で局面、局面の戦いで試合を追うごとに良くなっている。できることと成長していることを見させてくれているので招集した。今は左CBをする機会が多いが、右も左もできる、個々の局面で相手に勝って攻撃に繋げるところを見せてくれているので、今回の代表活動でも今やっていることを思い切り発揮してもらえればと思っている。純也の件に関しては一言で言うと、彼を守るために招集しなかったという判断を私自身がさせていただいた。彼の置かれている状況であればフランスリーグでプレーしているし、我々も彼のパフォーマンスを状況を踏まえた上で、招集は可能だと思っているし、招集したいと思っていた。しかしながら彼を招集した場合、彼をここ日本で、彼を取り巻く環境がどういう環境になるかを想像した時、彼が落ち着いて生活できる、彼が落ち着いてプレーできる環境にはならないと私自身想像している。彼だけではなく、チームとしての活動でもチーム全体が落ち着いて活動できる環境にはおそらくならないだろうなと思う。またいろんな方が関心を持たれていると思うので、そうなった時、彼の一番大切にしている家族、大切にしている方々への影響を考えると、招集しないほうが今はいいのかなと判断した。最初にも伝えたが、一言で言うならば彼を守るために招集を見送らせてもらったということでお話しできればと思う」

—平壌のアウェーゲームでテレビ放送が難航していると聞いている。進捗状況は。
「詳しくはありません。関係者が努力していただいているのは承知しているが、放送は難しい状況と伺っている。取材で現地を訪れていただけるメディアの皆さんからしっかりと発信していただければ幸いだと考えている」

—長友佑都はこれまでもピッチ内でパフォーマンスは出していたと思うが、代表復帰がこのタイミングになった理由は。ピッチ外での役割に期待することは。
「彼が及ぼしてくれる影響として期待していることは、まずは何よりもピッチ内で高いレベルでプレーできることを他の選手に示してほしいと思っている。ただピッチ外、プレー外で言うと、やはり彼がどんな時にも反省を怠らず、でもポジティブに前向きに振る舞ってくれるのは、現在のチームでも選手が意識してやってくれているが、彼は突き抜けているところがある。これからより厳しい戦いになっていく中、彼がもたらしてくれるエネルギーに期待したいと思っている。ピッチ外のところはもちろん期待しているが、長友がいない中でもチームは少しずつ成長していっていたし、何か欠けているから彼に頼るとは考えていない。さらなるパワーアップのために長友を招集させてもらうということで考えている」

—開催地を変更したなでしこジャパンと、変更できなかった男子代表ではAFC側の対応が変わった。女子の際は定期便が飛んでいないことが理由にあがったが、どうして男子は平壌でいいと思ったのか。AFCから連絡が来ていることはあるか。
山本ダイレクター「ご質問はご理解できるが、サッカー協会の中で担当のものがしっかりコミュニケーションを取って決まったことなので、我々はそれに従っていくことになる。ホーム、アウェーともに安全に執り行えるかが一番重要なので、まずはホームに来ていただくことになるが、まずは安全に行えるように連携していければと思う。詳細は申し上げるのは難しいのでご理解いただければ。

—冨安健洋の現在の状態は。招集外の際に考慮したことは。
「まだプレーしていない、試合に出場していないことが大きな理由。彼が確実にリカバリーしていて、試合に出場できる状況なのは確認している。そういった意味で招集してプレーしてもらうことは可能だったかもしれないが、プレーしていないと言うことで決めた。プレーヤーズファーストで考えないといけないと思っている。次の2試合は間違いなく激しく厳しい試合になる。そこでプレーしていない状況で、それでもプレーしてもらうことはあるかもしれないが、今回は怪我のリスクを考えて、まだどれだけのプレーができるかも確認できていないので、招集外とした。前回のアジア杯でも試合はプレーできたが、イラン戦で違和感があり、その後怪我ということでプレーできなくなった経緯がある。まずは本人のために、本人が所属するクラブのために、同じようなことが繰り返されないようにという思いと、本人がしっかりとしたパフォーマンスをアーセナル、プレミアの舞台で見せてくれれば自然と代表チームの戦力になると考えて、招集しなかった」

—伊東純也を招集外としたのは監督の判断とのことだが、JFAとして招集は可能だったという見方か。
山本ダイレクター「選手としての伊東純也選手の力は監督に評価していただいていて、我々も一刻も早くプレーできる環境を整えたいと考えている。その中で当然、専門家のご意見を伺わないといけないところと、サッカー協会でどう対応しなければならないかの議論は進めている。その中で監督の決断になった。選手を守ることもそうだし、我々としてもバックアップを整えている。

●北中米W杯アジア2次予選特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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