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五輪代表の齋藤がサイドからチャンスメイク、扇原「あのドリブルは脅威」

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[7.7 J1第17節 横浜FM1-1C大阪 ニッパ球]

 何度となく左サイドからチャンスをつくった。しかし、2点目が遠かった。横浜F・マリノスのMF齋藤学は「前の選手が決めていれば勝ち切れる試合だった」と唇をかむ。前半31分に先制後もたびたび追加点のチャンスをつかみながら決定力を欠き、後半35分に失点。前節・名古屋戦(1-1)とまったく同じ試合展開で3戦連続ドローとなった。

 ロンドン五輪メンバー18人に選ばれた齋藤は「五輪前のホームラストゲームでゴールを決めてやろうと思っていたけど、なかなかシュートが入らなかった。残念だけど、そこにつながるチャンスはつくれた」と振り返る。前半33分、カウンターから左サイドを駆け上がり、中に切れ込むと自ら左足でフィニッシュ。同39分にも左サイドをえぐってマイナスに折り返したが、FW小野裕二のシュートはGKの好セーブに阻まれた。

 後半29分には小野の右クロスのこぼれ球が齋藤の目の前に流れ、右足を振り抜いたが、DFに当たってわずかにゴール左へ外れる。「DFのスライディングの足にボールが当たった。難しいシュートだったけど、ああいうシュートを決められる選手がいい選手だと思う」と反省した。

 ゴールこそ奪えなかったが、切れ味鋭いドリブルと積極的なプレーは相手の脅威になっていた。五輪メンバー入りへボーダーラインにいた齋藤にとって、メンバーに選ばれるまでは目に見えないプレッシャーもあったのだろう。この日は肩の荷が下りたかのように生き生きとプレーしていた。

「自分では力が入っているとは思っていなかったけど、自分自身いい内容じゃない試合もあった。今日は自分の良さは出せたけど、結果につながらなかったのが残念」。齋藤はそう言って納得しなかったが、C大阪のU-23日本代表MF扇原貴宏には「左サイドから何回か崩されたし、あのドリブルは脅威。代表では味方になるので心強い」と言わせた。

 明日8日から五輪代表合宿に参加。11日には東京・国立競技場で行われるニュージーランドとの壮行試合に臨む。その後はいったんチームに戻り、14日のG大阪戦(万博)後、いよいよロンドンへ出発する。「18人という少ない人数に選んでもらえたことは光栄だけど、メンバーに入れなかった選手の分まで背負ってやらないといけない」。目前に迫ったロンドン五輪。齋藤はあらためて強い決意を口にした。

(取材・文 西山紘平)

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