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勝利を決定づけるアシストの磐田MF菅沼「自分が出た試合で勝ちたかった」

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[8.25 J1第23節 柏0-3磐田 柏]

 ジュビロ磐田のMF菅沼実が8試合ぶりに出場した試合は、思い出の相手との一戦だった。下部組織から育ってきた柏レイソルを相手に、菅沼は左サイドを何度も上下動し、チャンスをつくり出した。

 試合前、彼の名前が呼ばれた際には、柏サポーターからも拍手が起こった。「嬉しかった」と話す菅沼は「ずっと、子供のときからいたチームなので、違和感はありましたけど、今日のゲームに集中していました。自分のために、一試合集中することがプロだと思ったので、それに専念しました」と、特別な思いを持って戦っていたことを明かした。

 磐田は前半5分にMF山田大記のゴールで先制する。同18分には柏のDF近藤直也が退場したが、その後も落ち着いた試合運びを見せた。その点について「数的優位に立った時にどうすればいいかは、毎日の練習でやっていますし、練習で重ねてきたことが自分たちの力として出せてきている感じがします」と手応えを口にした。森下仁志監督も「誰よりも真摯に練習に取り組んでいた」ことをスタメンに抜擢した理由に挙げている。

「(千代反田充と菅沼実は)思うように出場機会がなかった中でも、誰よりも真摯に練習に取り組んでいました。こういう(4連敗中のアウェーという)難しい状況でこそ、力を発揮してくれるんじゃないかと思いました。その通りのパフォーマンスを見せてくれたと思います」と、指揮官は満足気に語った。

 菅沼は決定的な働きも見せた。後半29分には最終ラインの背後を取り、シュートをゴールに流し込んだが、オフサイドと判定されてゴールは認められなかった。

 それでも、その4分後には左サイドから逆サイドにパスを出し、FW前田遼一の3試合連続となるゴールをアシストした。山田が「向こうが一人少なくなって、多少は有利にはなりましたが、相手も最後まで勝負の気持ちを持ち続けていましたし、3点目が入るまでは分からないと思っていました」と話すように、勝利を決定づける価値ある一撃を演出した。

「前田さんの動き出した良かったから出せました」と謙遜する菅沼だが、「なかなか試合に出られなかったので、自分が出たときに勝ちたかったので結果が出て良かったです」と、思い出の地で挙げた勝利については、笑顔で振り返った。

(取材・文 河合拓)

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